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特 集
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『大阪の部落史』第十巻(本文編)の刊行によせて
-要約-
『大阪の部落史』第十巻(本文編)が刊行され、全十巻の編纂事業が完結した。第一巻~第三巻は古代・中世・近世と考古の史料編、第四巻〜第六巻が近代の史料編、第七巻~第八巻が現代の史料編、第九巻が史料編の補遺(近世・近代)である。第十巻(本文編)は古代から現代まで、11名によって執筆された。この間の編纂事業によって、初めて明らかになった事実や新しく提示された視点も多い。
大阪の部落史は、これまで以上に豊かな内容を持つ新しい段階に到達したと言える。本論は、その要旨の紹介である。
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渡辺俊雄 |
食肉業・食肉労働に対する偏見と差別撤廃をめざして-第二次プロジェクトの報告書発刊を踏まえて
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-要約-
部落解放・人権研究所では、二〇〇一年度以降二〇〇九年度まで二次にわたって「食肉業・食肉労働に関するプロジェクト」に取り組んできた。二〇〇九年三月末に第二次プロジェクトの報告書を完成させたが、その基本的な目的は学校教育、とりわけ小学校教育の中に食肉業・食肉労働に対する正しい理解を位置づけることにある。このため、本稿では、とりわけ食肉労働者に対する偏見と差別の実態、これに対する批判、学校教育で取り上げる際の基本的なポイント等について考察を加えた。
-訂正-
前掲論文の本文末尾4行を、関係労働組合からの指摘を受けて、以下のように補充・訂正いたします。
(ゴチックの部分が補充部分)
上記に紹介した横浜市教育委員会が作成した職員研修用資料や東京都による「お肉の資料館」などの取り組みは、いずれもと場労働組合からの提起と協力を得て実現したものであるが、大阪市をはじめ食肉市場を抱えている自治体でも今後大いに参考にしていく必要があろう。
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友永健三 |
2008年版『CSR報告書』における人権情報・グットプラクティス調査の結果と課題
-要約-
約三二〇社の二〇〇八年版『CSR報告書』から、人権情報のグッドプラクティスをある基準で選定することで、今日的な「人権CSR」の具体像の鮮明化と個別企業の肯定的な「顔」の可視化を試みた。さらに二〇一〇年秋に発行予定のISO二六〇〇〇(社会的責任に関する規格)に関連した今後の課題を提起した。 |
中村清二 |
大阪の部落女性実態調査から見えてきたもの
-要約-
本稿は、部落解放同盟大阪府連合会が、大阪府内の被差別部落女性の実態を把握するために二〇〇八年に行った調査結果から、その特徴を解説している。結果、相対的に安定した子どもを持つ若い世代が部落外に流出していること、四〇~五〇歳代の就労は安定しているが、若年層の不安定就労が増加していること、若年層では部落出身者としての自覚、被差別体験、差別認識がそれぞれ少なくなっていることなどが明らかとなった。 |
内田龍史 |
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論 文
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大坂四ヶ所の支配・御用と勧進-塚田孝『近世大坂の非人と身分的周縁』に関わらせて
-要約-
大坂非人研究をリードしてきた塚田孝の論考がまとまった。成立と由緒、支配と御用、大坂三郷と垣外番・勧進、という非人論の外延構造を網羅している。基本としては彼の用いた史料と論理を内在的に吟味することで、この分野の研究の底上げと、塚田非人論が描く像とは別の新しい像の輪郭を提示することを企図した。 |
のびしょうじ |
「第三次とりまとめ」と「人権教育の推進に関する取組状況の調査結果」が示唆するもの
-要約-
本稿では、二〇〇八年三月に文科省から出された「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」(以下「第三次とりまとめ) 1 (」)の効果的活用に向けて、二〇〇九年一〇月に文科省から公表された「人権教育の推進に関する取組状況の調査結果) 2 (」も踏まえながら、今後の人権教育推進に向けた課題について論じたい。また、この「第三次とりまとめ」がどのような歴史的文脈の中に位置づいているのかをとらえるために、人権をめぐる国内外の動向に見られる特徴を整理した。 |
平沢安政 |
多言語環境に育つ子どもたちの母語保持伸長と日本語習得(上)-その現状と課題
-要約-
国際化、多文化化の流れに伴い、日本国内でも多言語環境に育つ子どもたちへの日本語・教科支援に関して様々な議論や実践が行われている。しかし、移民先進国における調査研究で彼らの学力を高めるのに必要といわれている母語保持伸長を目指した取り組みはほとんどなされていない。これには、日本国内で彼らの言語力の実態をつかむ調査が不足していることが一因となっている。より有益な教育・支援の追求のため、母語と日本語の二言語の力を捉える基礎的研究が今まさに必要とされている。 |
櫻井千穂 |
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研究ノート
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国勢調査小地域集計を利用した被差別部落の実態把握の可能性
-要約-
日本社会全体の不安定化が叫ばれている現在、被差別部落の再不安定化が懸念されている。にもかかわらず、﹁法﹂の期限切れ以降、被差別部落の実態把握は困難を抱え、あまりされなくなってきている。このような状況にあって、利用可能なデータ・方法を模索・駆使して、部落の実態を把握することも求められている。そうした模索の一つとして、被差別部落の実態把握の際にこれまであまり積極的には利用されてはこなかった官庁統計の小地域集計に注目し、実際に具体的な被差別部落の実態把握を試みる。もって、官庁統計の小地域集計が被差別部落の実態把握において、有効なデータとなりうることを示す。 |
妻木進吾 |