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大阪市飛鳥会事件
- 2006年7月5日 読売新聞 大阪 大阪市の同和行政を巡って 対策事業の歴史と課題
- 2006年7月5日 読売新聞 大阪 大阪市の同和行政を巡って 対策事業の歴史と課題2
- 2006年7月5日 読売新聞 大阪 大阪市の同和行政を巡って 対策事業の歴史と課題3
- 2006年8月10日 朝日新聞 大阪 岐路迎えた同和行政
- 2006年8月24日 産経新聞 大阪 組織の見直しで第三者機関設置 解放同盟委員長
- 2006年9月20日 毎日新聞 大阪 核心インタビュー 同和行政のあり方 目指すもの明確に
- 2006年9月14日 読売新聞 大阪 中本・大阪市人権協会理事長に聞く 信頼失墜 腹立たしい
- 2006年9月10日 読売新聞 大阪 解放同盟大阪府連が報告集会 飛鳥会事件を謝罪
- 2006年10月9日 産経新聞 大阪 部落解放同盟 年内に提言委員会
- 2006年10月9日 産経新聞 大阪 解放同盟 組坂委員長インタビューの詳細
<まとめ>
5月連休明け、飛鳥会事件(財団法人飛鳥会と大阪市開発公社の間で契約された駐車場管理からの利益横領:業務上横領・詐欺事件)で、「小西・部落解放同盟支部長(飛鳥会理事長)の逮捕」が大々的に報道されました。以降、関連した事件報道がトップ面や3面にあふれるように繰返し流されました。部落問題関連記事の量としては、これまでに類を見ないことでした。
さらに、部落問題解決の一環として建設・運営されてきた「芦原病院」の経営破たんと大阪市からの融資焦げ付き問題も関連して、大阪市は2001年の大阪市同和対策推進協議会「答申」を無視し、「地対財特法期限後の関連事業等の総点検調査結果に基づく事業等の見直し等について(方針)」を11月に確定しました。
こうした中で、今回の事件について議論すべきさまざまな点が浮かび上がってきています。9月20日「毎日新聞」はそれを一定整理しています。具体的には、?部落(出身者)に対して実施された同和対策事業という特別対策の功罪、?部落によっては存在する地域ボスによる支配関係が行政に持ち込まれ結果として私複を得ていること、?行政と運動団体との関係、?部落問題解決の展望を持たずに同和行政を機械的に全面否定しようとする行政のあり方やその背景、?表面的な事件報道になりがちな傾向があり、深みのある部落問題報道が少ないこと、等が触れられています。
大阪市青少年会館のあり方
- 2006年8月30日 大阪日日新聞 大阪 東淀川区の子ども団体 青少年会館 存続求め市に要望書
- 2006年11月3日 大阪日日新聞 大阪 「人権施設見直し反対」 東淀川・日之出の住民や利用者
- 2006年11月15日 産経新聞 大阪 「駆け込める場所必要」大阪市の青少年施設考える
<まとめ>
大阪市の同和地区内にある青少年会館、地域老人福祉センターが、2006年度限りで廃止されようとしています。それは2006年8月、「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」が「見直し等について(方針)」案を出し、11月に大阪市が市長方針として確定したからです。
特にこの市長方針によって、2007年3月末で「青少年会館条例」廃止、各館からの市職員の引き上げが行なわれる見通しです。また、この間青少年会館で実施してきた「不登校など課題を抱える青少年に対する相談や居場所づくり」「青少年体験学習」「若年層職業観育成・社会参加支援」の三事業は、2007年度以降も全市的な青少年施策に位置づけられ、「(仮称)子ども青少年局」の所管に移される見通しです。また、これら三事業は現在の青少年会館だけに拠点を限定せず、他の社会教育(生涯学習)施設等も活用して行なわれることとなり、それ以外の事業については「廃止」の方向です。
一方、今後の青少年会館施設については、体育館・グラウンドなどで利用可能なものは別条例に位置づけ、「公募による指定管理者制度」を適用することを検討することになりました。また、その他施設については子育て支援サークル等の利用場所、多目的な事業の実施場所として活用することを検討するとなっています。なお2007年度に限り、青少年会館は「普通財産」に位置づけ、市民の利用に供するとのことです。ただし、「普通財産」は現行地方自治法上、自治体がその事務・事業を執行するために直接使用する財産等(行政財産)に比べ、売却・譲渡・貸付等の規定がゆるやかになっています。
こうした大阪市の動向に対し、同和地区住民だけでなく、青少年会館等を利用してきた人々や「三事業」を担ってきたNPO等から疑問や批判が上がってきています。それは、従来からの事業や取組みに支障をきたすからだけでありません。元々、大阪市の青少年施策は弱く、それを青少年会館がある意味では先駆的に担ってきていましたし、他方でフリータ問題など青少年施策を強化していくことを国も打ち出しているなかでの廃止ということに、大阪市の青少年施策そのものの貧困化を強く懸念しているからです。
電子版・部落地名総鑑の発覚
- 2006年8月25日 朝日新聞 大阪 私の視点 ◆戸籍法改正 不正利用防ぐ仕組み作れ
- 2006年10月1日 読売新聞 大阪 「部落地名総鑑」FDに 解放同盟大阪府連回収「ネットに流出恐れ」
- 2006年10月27日 産経新聞 大阪 部落地名リスト 大量流出 法務省調査
<まとめ>
2005年に発覚した兵庫県の行政書士による全国の戸籍謄本大量不正入手事件に端を発し、その事実究明が続けられるなかで、2005年12月に3冊の部落地名総鑑(内2冊は新たな種類)が回収されました。さらに部落地名総鑑のデータを入力した2種類のフロッピーデスクを大阪市内の調査会社から部落解放同盟大阪府連合会が回収しました。データはパソコンへの転用ができ、広範囲に調査会社が保有している可能性もあり、法務省や地方自治体に真相究明を求めていますが、任意調査しかできないという調査権限の問題もあり、見通しは難しいと予想されます。
そうした中、今度は2006年10月に、全国37都道府県約430分の被差別部落の地名や所在地などがインターネット上に掲載されていることが発覚しました。被差別部落でない地域も掲載されているなど不正確な記述もありますが、差別的身元調査を煽る極めて悪質な内容です。
他方、後を絶たない行政書士・弁護し・司法書士等の専門資格者による職務上請求書を不正使用した戸籍謄本の入手事件に対し、法務省の法制審議会が戸籍部会が戸籍の公開制度の見直しに向けた「中間報告案」を8月にまとめました。職務上請求する場合でも、依頼者名や必要とする理由を明記させることや交付請求した第3者の氏名の開示請求には全面開示で対応するといった改正案が示されています。
しかし、個人情報保護法の精神を受け、第3者が戸籍を取得した際には、本人に取得者の氏名を通知する制度にすることや違反者へは過料(行政罰)ではなく刑事罰とすることなどが求められています。
全国の差別撤廃・人権条例の動向
- 2006年10月29日 毎日新聞 大阪 「人権尊重」条例化3割 大阪の社団法人全国アンケート 1047自治体が回答
<まとめ>
近年の市町村合併の中で、一端成立した差別撤廃・人権条例がどのようになっているのか、あるいは条例の具体化がどう進んでいるのか、といった点をアンケートで部落解放・人権研究所が2006年6月、調査しました。
1890自治体に調査を依頼し、1047自治体から回答がありました。354自治体が「条例がある」と回答し、具体化のための重要な機関である審議会の設置は270自治体、基本方針・計画、実施計画があるのは139自治体、という状況です。
部落と文化 竹田の子守唄、島崎藤村『破戒』100年、和太鼓
- 2006年7月3日 西日本新聞 福岡 伝統芸能と差別 テーマに特別展 「門付け芸」の再評価を
- 2006年8月22日 愛媛新聞 松山 差別の苦しみ秘めた名曲 背景紹介 人権考える
- 2006年8月21日 毎日新聞 大阪 夕刊 竹田の子守唄<1>歌うか否か
- 2006年8月22日 毎日新聞 大阪 夕刊 竹田の子守唄<2>小さな歌声
- 2006年8月23日 毎日新聞 大阪 夕刊 竹田の子守唄<3>歌い継ぐ
- 2006年8月24日 毎日新聞 大阪 夕刊 竹田の子守唄<4>初めての学芸会
- 2006年8月25日 毎日新聞 大阪 夕刊 竹田の子守唄<5>橋渡し
- 2006年9月8日 毎日新聞 大阪 夕刊 特別展「島崎藤村『破戒』100年」 近現代の差別再考の好機
- 2006年9月21日 大阪日日新聞 大阪 ◆大阪人権博物館で「島崎藤村『破戒』100年」展
- 2006年9月22日 毎日新聞 大阪 夕刊 部落差別は今 上 藤村の『破壊』100年−途絶えた映画・ドラマ化
- 2006年10月5日 毎日新聞 大阪 職は大阪にあり 伝統産業を訪ねて 和太鼓
<まとめ>
1971年、フォークグループ「赤い鳥」の3曲目としてリリースされた京都市内の「竹田の子守唄」。しかし、歌詞の中にある「在所」が時として被差別部落を指すということで放送禁止歌にされ表舞台から消えていったという。しかし近年、地元の解放運動の中で唄に込めた思いを次世代に伝える取組みが始まり、無数の歌詞があるといわれる元唄を丹念に調べ再発掘され始めました。そして毎年開かれている「ふしみ人権の集い」で発表され歌いつがれてきています。その輪は、生きる痛みを知る夜間中学や在日コリアン、沖縄の人たちの心をとらえ広がりだしているという。
2006年は、被差別部落民を主人公にした島崎藤村の小説『破戒』が出版されて100年になります。戦後、『破戒』は、1948年松竹映画『破戒』(監督・木下恵介)、1961年日本テレビのドラマ『破戒』(監督・市川昆)、など演劇、映画、テレビドラマになっています。しかし他方で、映画界では木下作品『破戒』が避けられる傾向があるといいます。大阪人犬博物館は、こうしたテーマを正面から取上げた展示をしましたが、『破戒』100年にあたり、考えるべき点は大きいといます。
被差別民の歴史 乞胸、高野山三昧聖
- 2006年6月16日 毎日新聞 大阪 夕刊 江戸中期 差別の法制化示す史料 『大阪の部落史』第2巻刊行
- 2006年8月24日 毎日新聞 大阪 高野山「三昧聖」活動物語る180点 文書編纂会が発見
- 2006年9月10日 毎日新聞 大阪 乞胸−江戸の辻芸人 リストラ武士を救済した芸人組織
<まとめ>
三昧聖は、一般的には葬儀や墓地の管理などに携わる被差別身分の総称ですが、和歌山県高野山では「谷の者」と呼ばれ、最下級の僧と位置付けられていたといいます。高野山真言宗・勧学院の古文書調査をしている「和歌山の部落史・高野山文書編纂会」が、三昧聖の活動などを裏づける史料約180点を発見し、今後、その姿を明らかにしていく予定ですが、貴重な発見であり今後の取組みが期待されています。
乞胸は、江戸時代の江戸における辻芸人(曲芸・漫才・皿回し・手品師・物真似・講談などの雑芸を演じて門付けして回る芸人)の総称です。塩見鮮一郎さんの『乞胸 江戸の辻芸人』を田中優子さん(法政大学)が書評されていますが、「江戸研究者でも、歌舞伎や浄瑠璃を取上げながら乞胸は無視して通るのが通例である。その研究者がなかなか触れられない世界を、著者はずっと見つめてきたのである」と指摘されています。そして、「乞胸は芸人でいる間(つまり仕事中)は非人組織の配化にあるが、個人としては町人である。この不思議な構図は乞胸の成り立ちが理由だった」として、「乞胸頭・仁太夫とその組織が武士に由来する、・・・・乞胸はもともと、リストラされた浪人たちをたばねる機関だった」と本書の最も面白い発見として触れています。
国連・障害者権利条約が採択
- 2006年8月26日 毎日新聞 大阪 夕刊 「障害者権利条約」に合意 国連特別委 年内採択目指す
- 2006年8月27日 朝日新聞 大阪 夕刊 障害者条約案に合意 国連特別総会 教育など差別全撤廃要求
<まとめ>
世界の障害者人口は約6億5000万人で、世界人口の約10分の1です。そうした障害者を対象にした国際条約が、初めて国連で採択されました。1975年の国連・障害者権利宣言、1981年の国際障害者年、1983年から始まった「国連障害者の10年」、といった一連の流れの中で、ようやく条約化に至りました。
草案は全文50条で、大きな特徴は障害者に対し雇用や教育の分野で事業者や学校に過度の負担にならない範囲で「合理的配慮」を義務づけている点です。
12月の国連総会で正式に採択され、20カ国が批准した時点で発効します。
千葉県で障害者差別撤廃条例が成立
- 2006年10月13日 読売新聞 大阪 千葉で差別撤廃条例 障害者救済に道 個別事例、判断に難しさ
- 2006年10月29日 朝日新聞 大阪 障害者 差別をなくす千葉の挑戦
<まとめ>
千葉県が2004年、第3次県障害者計画の策定に関する地域集会で障害者から切実な声が相次いだことをきっかけに、県が800件近い障害者に関わった事例を元に2年間、紆余曲折の中、条例制定に至りました。制定過程では多くの人が参加したことも、大きな特徴でした。
制定された「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」は、差別行為を労働、教育、商品・サービス提供、不動産取引など生活の場面ごとに8分類し、さらに具体的にどのような行為が差別に当たるかを示しています。
そして、問題解決の手順を?当事者が県の委嘱を受けた地域相談員に相談、?相談員が双方を招いて話合い、?それで解決しない時は専門家からなる調整委員会が助言・斡旋、?正当な理由がないのに改善されない場合、県が是正勧告、?それでも解決しない場合の民事訴訟に県が訴訟費用を援助、としています。また、障害者問題の理解促進を基本としているので、罰則規定はありません。
全国の都道府県で初めて制定された条例で、来年7月施行です。大きな挑戦といえます。
SRI(社会的責任投資)の動向
- 2006年2月21日 産経新聞 大阪 社会的責任促す規格 ISO26000 008年にも発効 策定で「日本色」濃く
- 2006年9月7日 朝日新聞 大阪 社会的責任投資、じわり 欧米の機関投資家「環境・倫理」も注目
- 2006年10月22日 読売新聞 大阪 エコファンド 投資家に減税 環境省 優遇方針
<まとめ>
企業の財務状況だけでなく、環境問題や社会問題への取組み状況も配慮して投資先を選ぶ「社会的責任投資」(SRI)。世界的にはSRI市場規模は約350兆円で、アメリカの約274兆円、イギリスの約22.5兆円が先行しています。日本は1999年に環境に配慮する企業の株を集めた投資信託として立ち上げた「エコファンド」が最初で、現在、28本のSRI投資信託があります。しかし、その総資産残高は約2500億円強と少なく、特に機関投資家からの投資が「銘柄選考が縛られると資金を最大限効率的に運用する受託者責任が果たせないのでは」という考えから弱い状況があります。
しかし、2006年4月、国連・環境計画金融イニシアティブが「責任投資原則」を打ち出し、投資先企業を選ぶ際に環境や社会性、企業統治を考慮することを機関投資家に呼びかけました。日本からもキッコーマン年金基金、三菱UFJ信託銀行、損保ジャパンなどが署名しています。また、環境省が「エコファンド」個人投資家に、投資金額や投資利益に減税措置を取ることを2007年度から実施することを検討しています。また、イギリスやドイツをはじめヨーロッパの国々では、年金基金の運用の際、企業の社会的責任をどのように考慮したかの情報公開を義務づける年金法の改正がされ、CSRとSRIへの関心が徐々に高まってきています。
ノーベル平和賞にユヌスさん(バングラディッシュ)とグラミン銀行
- 2006年10月14日 日本経済新聞 大阪 平和賞にユヌス氏とグラミン銀 貧困層に事業資金 無担保で融資 自助努力促す
- 2006年10月21日 読売新聞 大阪 ノーベル平和賞ユヌス氏 喜び語る 「小口融資運動」広めたい
<まとめ>
2006年のノーベル平和賞に、バングラディッシュのグラミン銀行総裁・ユヌスさんが決まりました。その理由は、無担保で少額の貸し付けを行う(マイクロ・クレジット:小口融資)を始め、貧困層の経済的自立を促進したことです。これまで約660万人に約57億ドルを貸し付け、返済率は98%を上回っています。利用者を5人単位のグループとし、事業計画や返済トラブルにならないよう相互協力して貸し倒れを防いでいます。
カナダやアメリカ、さらには中国やベトナムでも導入されています。日本でも関心は強く、一部で取組みが既に始まっています。グラミン銀行もそうですが、社会的目的を持った事業を営利事業として進める「社会的企業」の一つの典型事例と言えます。
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