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部落解放・人権教育啓発プロジェクト
2002年1月10日

奨学金制度の動向について

(報告)小西清則(全国同和教育研究協議会会長)

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 ? 特別対策の終了に伴い、解放奨学金も一般対策に移行することとなった。2002年度概算要求において、文部科学省は、「経済的理由により修学困難な高校生に対する奨学金貸与事業を行う都道府県に対し、国は財政的な援助を行うこととし、もって高等学校における教育の機会均等に資する」との趣旨で高等学校奨学事業費補助事業を立ち上げた。

? 解放奨学金に変わるものである。国の一般対策の施策としては、成績条項を伴わない初めての奨学事業であり、この点は評価できる。しかし、貸与基準は日本育英会と同等であり、低所得家庭の多い部落の子どもたちの高校進学を支えるには厳しい内容となっている。

? 解放奨学金は、部落の子どもたちの高校・大学進学を支え、就労と生活の安定の実現という部落問題解決にとって大きな役割を果たしてきた。しかし、解放奨学金の成果は、未だ「一定」の成果でしかない。高校進学率の較差は縮まる兆しが見えない。

? 大学進学率にいたっては、部落は全国平均の3分の2でしかない。また、各地の調査は、不安定就労と低所得世帯が依然部落に集中している実態を明らかにしている。その低所得世帯の子どもの多くが学力面で厳しく、日本育英会の奨学金を受給できない実態にある。

?新たな奨学金制度は、以下の視点で工夫が図られなければならない。

(1) 奨学金を申請した、要件を満たすすべての子どもたちが受給できるものでなければならない。

(2) 成績条項は、設定すべきではない。

(3) 不安なく進路選択ができるよう、予約制度が必要である。また、家計状況の激変により、奨学金が必要になった人に即応できる制度であること。

(4) 入学支度金制度が必要である。

(5) 連帯保証人は、保護者、団体信用保険で対応できるようにすべきである。

(6) 返還については、そのことが家計を圧迫しない程度の期間とし、免除制度の設定も必要である。

(7) 各家庭の経済状況や学資に応じた段階的な貸与月額の設定・選択制が望まれる。また、併給が可能な制度であるべきである。

(8) 過年度生・留年生・休学生も受給できるものとする。

(9) 申請窓口は複数とし、手続きも簡素化する。

(10) 大学・専修学校等の奨学事業は、国レベル等でさらに拡充されなければならない。そのための日本育英会等の改革は必要である。
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? この他にも、学力保障の課題、情報の集約と提供、奨学金に関する社会意識の形成、奨学金制度の意義を学ぶ活動、学校経費の軽減など奨学金制度をとりまく課題は、多々あるが誰もが教育を受ける権利を持っていること、その権利を行使する手だてを一人ひとりが知ることは、人権社会を実現していく生き方を獲得していく道筋でもある。
(詳細はヒュ−マンライツ2001年1月号に掲載されていますので参照下さい)(中田理恵子)