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部落解放・人権教育啓発プロジェクト
2002年1月10日

「人権教育啓発推進法」の基本計画について

(報告)友永健三(部落解放・人権研究所所長)

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 昨年12月20日人権教育及び人権啓発の推進に関する法律で定められた国の基本計画の中間とりまとめが公表され、1月末までパブリックコメントが求められている。そこで国の基本計画案が、公表されるまでに早急に基本計画について検討が必要であり、各人がパブリックコメントを積極的に提出するよう提言した(報告の詳細は、ヒュ−マンライツ、2002年2月号に掲載)。

 以下、追加すべき項目や問題点について要旨のみ掲載する。

1. 人権擁護推進審議会の答申に関して、これまで、3度のパブリックコメントが求められ各方面から多くの意見が寄せられたが、その意見が最終的な答申にまったくといってよいほど反映されていない。寄せられた意見に対しては、当局は回答する責務がある。

2. 「中間とりまとめ」の構成は、1章から5章で構成されている。全般を通じて、保育や企業などの取り組みに関する記述が欠落している。これは、「基本計画」のとりまとめが法務省と文部科学省によって行われており、真に政府全体をあげたものとなっていないためである。

3. 第2章「人権教育・啓発の基本的な在り方」については、(1)人権教育・啓発の内容として「人権についての教育・啓発の推進」という柱をおこし、「日本国憲法の人権に関する条項、世界人権宣言や国際人権規約をはじめとする日本が締結した国際人権諸条約等に関する教育・啓発を系統的に実施する必要がある。このため、学校教育や社会教育、生涯学習のカリキュラムのなかに、これらに関する学習を明確に位置づける必要がある。また、政府広報等啓発活動のなかにもこれらに関する啓発を位置づける必要がある」。

 (2)人権教育・啓発の目的を明確にするため、「人権教育・啓発の目的は、人権が尊重された社会の構築をめざすものであることを明確にすること。このため、家庭・学校・地域・職域等で人権が日常的に尊重されるための手法に関する教育・啓発を強化する必要がある」を追加すべきである。

 (3)「特定の職業に従事する者に対する人権教育の推進」の重要性を明記し、「人権教育・啓発の推進にあたっては、人権と関わりの深い特定の職業に従事する者に対する人権教育・啓発を強化する必要がある」といった重要な事項を追加記述が必要である。
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4. 第3章「人権教育・啓発の推進方策」では、学校教育について、(1)カリキュラムの中に人権教育を明確に位置づける。(2)人権教育研究指定校・教育総合推進地域事業等の人権教育の推進に関する事業を一層充実させる。(3)「大学等高等教育機関での人権教育の充実を図る」を追加する必要がある。人権啓発の内容については、「世間体」とともに「家柄」を挿入すべきである。

 2 各人権課題に対する取り組みの女性に関しては、「被差別部落出身者、アイヌ民族、在日外国人等のマイノリティ女性の置かれている実態を明らかにしエンパワメントを積極的に支援していく(全府省庁)」を追加する。

 同和問題については、(1)「国の責務である」ということが欠落している。(2)2001年8月の国連人権小委員会でのグネセケレ委員の報告に見られるように、「同和問題の解決が国際的な責務」となってきていることへの指摘が欠落している。

? (3)部落差別の実態について、差別意識と差別事象だけの認識に立っているが、教育・就労問題などの差別の実態についても明記すべきである。(4)「特別措置法」の終了が同和行政の終了であるかのような記述になっている。96年の地対協意見具申の特別措置法の終了と一般対策への移行についての指摘をふまえたものに修正すべきである。(5)学校教育における同和教育の推進に関わって、「学校教育において、同和問題の早期解決をめざし、1994年の「学校における同和教育指導資料」を踏まえ、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間といった学校教育活動全体を通じて、同和問題を重要な柱とした人権教育を積極的に推進していく。このため教員研修を推進する(文部科学省)」を追加する。

5. 総合的かつ効果的な推進体制等では、(1)現状の人権擁護委員の在り方を抜本的に見直すこと。(2)実施主体間の連携については、法務省・文部科学省だけでなく、全府省庁あげて取り組むこと。そのために、所管を内閣府に移すことが必要である。(3)担当者の育成では、一定の資格を有した指導者を養成していく必要がある。(4)人権教育啓発推進センタ−の充実については、国レベルの人権教育・啓発に関わった機関のネットワ−クの構築、特定職業従事者に対する人権教育・啓発の推進に関わった事業に取り組む必要がある。(5)マスメディアの活用では、政府広報の積極的な活用をはかり「人権教育・啓発推進法」の普及とあらゆる場での人権教育・啓発の推進を呼びかける必要性を盛り込むべきである。

6. 第5章 計画の推進について

(1)「法務省及び文部科学省を中心とする……」を「内閣府を中心とする」に変更する。(2)地方公共団体等との連携では、「積極的に支援する」を挿入すべきである。(3)国際的な連携(4) 人権教育・啓発の効果的な推進のために定期的な実態調査が不可欠である。