◆2003年度活動報告は次の9点を柱としています◆
- 「人権教育のための国連10年(1995年-2004年)」の取り組みの総括と第2次の10年にむけた提言
- 世界人権宣言55周年の取り組み
- 部落差別撤廃・人権条例や宣言、男女共同参画推進条例制定の拡大の呼びかけ
- 国際人権基準の実施促進
- 国際人権規約連続学習会の開催
- 情報発信・啓発
- 統一ポスターの作成
- ニュースの発行
- パネル展開催支援制度
- 国際交流活動
- その他の活動
- 「マイマイフェスティバル2003」を後援
- 「市民が発信★国際人権トークツアー」を協賛
- 事務局における人材交流
◆2004年度活動方針は次の13点を柱としています◆
- 「人権教育のための国連10年」〜第1次の総括を踏まえ第2次が取り組まれるための取り組み
- 各方面で第1次「国連10年」の総括を行い、第2次行動計画を策定する。
- 自治体、政府、国連等への働きかけを行う。
- 国連等の動向を紹介する。
- 民間レベルの取り組みを促進する。
- パリ原則を踏まえた「人権侵害救済法」(仮称)の制定を求めた取り組み(地方人権委員会の設立を含む)
- パリ原則を踏まえた「人権侵害救済法」(仮称)が制定されるよう世論を喚起する。
- 都道府県単位でも人権委員会が設置されるよう世論を喚起する。
- 「国際人権規約」批准25周年にちなんだ取り組み〜完全批准と実施を求めた取り組み
- 国際人権規約批准25周年を記念して、これまでの成果と今後の課題を明らかにする。
- 自由権規約に関する第5回日本政府報告書提出に向けた取り組みを実施する。
- 国際人権規約の完全批准にむけて世論を喚起する。
- 締結した条約の実施と未締結の国際人権条約の批准
- 締結した条約(国際人権規約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、拷問等禁止条約)の普及・宣伝と実施を求めた取り組みを行う。
- 未締結の国際人権条約の批准促進を求めていく。
- 国際人権規約、女性差別撤廃条約、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約、拷問等禁止条約の完全批准
- 移住労働者権利条約の批准
- ジェノサイド禁止条約、国際刑事裁判所設置規程の批准
- 国のレベルで人権に関する法制度の整備に向けた取り組み
- 人権尊重の立場から教育基本法、日本国憲法の「改正」に関する学習を実施する。
- 「障害者差別禁止法」(仮称)、「人種差別禁止法」(仮称)等の制定にむけた学習を実施する。
- 「人権のまちづくり支援法」(仮称)の制定にむけた学習を実施する。
- 人権省、当面人権局の設置にむけた学習を実施する。
- 人権条例の具体化と未制定自治体での条例制定に取り組む
- 部落差別をはじめあらゆる差別を撤廃するための条例、男女共同参画条例、子どもの権利条例、人権尊重の社会づくり条例等の普及・宣伝と実施を求めた取り組みを行う。
- これらの条例の未制定自治体に対して制定を求めた取り組みを行う。
- 日・韓人権文化交流に取り組む
- 韓国・晋州五広大(仮面劇)を招聘する。
- 韓国・晋州での文化公演を後援する。
- ユネスコの人種差別撤廃世界都市連合結成に向けた取り組みと連帯する
- ユネスコの人種差別撤廃世界都市連合結成にむけた動向を紹介していく。
- ユネスコの申し入れを積極的に受け入れるよう、大阪市等へ要請していくとともに、受け入れに伴う実行委員会が結成された場合積極的に参加していく。
- 世界人権宣言56周年にちなんだ取り組み
日時:2004年12月7日(火)テーマ:「人権教育のための国連10年の総括と今後の方向」
- 国際人権規約連続学習会
- 時宜に適したテーマを取り上げ、連続学習会を月1回開催していく。(但し、8月を除く)
- 201回から250回連続学習会のニュースの合本版を編集・発刊する。
- 関係団体との協力
- 第13回ヒューマンライツセミナーを共催する。
- 第56回全国人権・同和教育研究大会を後援する。
- 大阪人権博物館(リバティおおさか)、大阪平和博物館(ピースおおさか)、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)等との連携を深める。
- 反差別国際運動(IMADR)、反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)等との連携を深める。
- 情報発信・啓発
- 毎月、『ニュース』の発行と充実
- 憲法週間、人権週間ポスター製作
- 部落問題、インドのダリット(被差別カースト)と朝鮮の被差別民衆「白丁」に対する差別を解説した写真パネルの展示会開催を引き続き呼びかける
- 大阪連絡会議の組織強化・拡大
- 加盟団体の拡大に取り組む。
- 市町村合併にあたって、地域連絡会が継続発展できるよう関係方面に要請していく。
以上の活動方針の提案を受けての会場から報告や意見が出されました。
◆世界人権宣言泉北3市1町連絡会の事務局廣瀬聡夫さん・・・【これからの人権教育についての提案】
昨年は識字の10年を柱にバングラディッシュとネパールへのスタディツアーなどを行なった。日本と現地とのNGOが交流・連帯できるということを学んでくることができた。
2004年度は国連の「人権教育の10年」を総括しようと、民間レベルでの行動計画づくりを促進していく予定である。質問として、当連絡会議の活動方針の1に書かれている「人権教育のための国連10年」の取り組みの方向が気になる。
4番目に民間レベルでの促進とあるが、その前提に行政がしっかり計画をし、その後に民間に広めていくという風に受け止められる内容だ。
当然行政の責任は必要であるが、そもそも行政の行動計画の中に民間の取り組みを促進、支援するようなビジョンが入らなければ、第2次の行動計画は知らない人に知らせ、特定職業従事者など幅広く教えていくといった「上から下」の方向での人権教育の取り組みになりはしないと疑問に思う。
やはり市民の自主的な取り組みを促進する行動計画が次の第2次の「国連の10年」の行動計画に問われるのではと思う。
そのような取り組みの企画を募集しようと泉北レベル準備をしている。予定では12月くらいに自主的な活動をしている民間団体が次の5年ほどをスパンにどんなことを人権教育として発信をしようとしているのかを提案してもらうような企画ワークショップを行い、それをもとに行政が次のビジョンを創っていくことができないかと考えている。このような視点が当連絡会議においても必要でないだろうか。
最後に、活動方針にもあるように4月24,25日に韓国の仮面劇が公演される。ぜひ日韓の人権運動の連帯の現状をみなさんにみてもらいたい。
◆ヒューライツ大阪の藤本伸樹さん・・・【国際人権教材アウォード2004について】
当連絡会議の主要な議題にある人権教育の促進の取り組みに関する情報を1つお知らせしたい。ヒューライツ大阪は、アジア太平洋地域の人権状況の情報収集ということに加え、日本を含むアジア地域における人権教育の啓発・普及に力点をおいて活動してきた。そして今年7月でちょうど10周年を迎える。これを記念し、国際人権教材アワード2004と題した賞を設けた。
国際人権教材プログラムを募集、表現形式は、ゲームソフトや映像・写真など人権教育を普及に関するものであればすべて日本国内、およびアジア・太平洋地域から募集できる。ここでの国際人権の意味は普遍的な人権基準を普及するような人権教材を指している。ぜひとも応募願いたい。
◆子ども情報研究センターの山下裕子さん・・・【子どもの日チャイルドラインについて】
子どもの権利を守るという視点で、子どもが困ったとき、悩みを抱えたときに、安心して相談できる窓口が今必要でないかということで民間でチャイルドラインという電話相談を実施する。子どもの日ということで5月5日から11日までフリーダイアルで実施する。ぜひ関係者に広報にご協力をお願いしたい。
以上3名の意見・要望に対する友永事務局長の答弁。具体的な行動提起が発言された中、廣瀬さんからの質問に以下の通り答弁した。
第2次の10年の重点は民間レベルでの取り組みであるということはまったくその通りである。
大阪府内の各自治体の行動計画には2通りのパターンがある。1つは2004年で終了とした自治体、もう1つは東大阪市のように独自に期間設定している自治体である。その多くが2004年で計画が終わるが、ぜひこれまでの取り組みの総括をはじめてもらい、来年度などに向けてどうするのかについての議論をはじめてもらいたい。その際、日本における第1次の取り組みの弱点としては、自治体主導型で、民間がお客さまだという形であったということは否めない。それを逆転させていくという視点、民間を支援していくという視点の行動計画をぜひ新しい行動計画の中に盛り込んでもらえたらと思う。
総会の最後には、総会決議が提案され、満場一致で採択されました。
◆国連人権委員会「人権教育のための国連世界プログラム」採択◆
「人権教育のための国連10年」は今年で終了しますが、現在の世界の状況は、人権教育がますます必要なことを示しています。世界人権宣言大阪連絡会議でも昨年来、第2次「人権教育のための国連10年」を求めてきました。
今年ジュネーブで開かれた国連人権委員会第60会期に、世界のNGOの支持を背景に、コスタリカ政府が第2次の10年を求めた決議案を作成しました。この決議案が正式に議場にあがるまで、会期中に、さまざまな国の政府やNGOがこの決議案をめぐり協議の場をもちました。私たちも大阪から成り行きを見守り、在ジュネーブのNGOに意見を出したり、関係国政府にロビー活動をしました。
最終的には第2次10年ではなく「人権教育のための世界プログラム」の案を盛り込んだ決議案が、コスタリカ政府や日本を含む40数ヶ国により提案され、4月21日無投票で採択されました。2005年から2007年を初等・中等教育における人権教育に焦点を当てたこの世界プログラムは、その後さまざまな分野を対象にして無期限に続きます。今年12月の国連総会に向け、決議の内容を充実させる作業がこれから始まります。NGOの意見もそこに反映されるよう、私たちの活動は今後も続きます。
世界中に人権文化を構築することをめざし、1995年1月から開始された「人権教育のための国連10年」も、本年で最終年を迎えた。この間、世界的にも、日本的にも一定の前進が見られたが、イラク戦争の勃発とそれに伴う多くの人命の損失に象徴される内外の厳しい人権状況を直視したとき、第2次「国連10年」が取り組まれる必要がある。
また、本年は日本が国際人権規約を批准して25周年という節目の年を迎える。それ以降、日本は、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約、拷問等禁止条約を締結した。また、男女共同参画基本法や人権教育及び人権啓発の推進に関する法律等が制定されるなどの成果が獲得されてきている。
しかしながら、国際人権規約の批准等は完全な批准ではなく、移住労働者権利条約など未締結の条約も少なくない。また5年連続して自殺者が3万人を突破し、児童虐待も後を絶たない。部落差別や民族差別を扇動する落書きや投書、インターネット上の差別情報も増加してきている。
今後、国際人権規約等の完全批准、移住労働者権利条約等未批准条約の批准とともに、差別を禁止し被害者を効果的に救済するための「人権侵害救済法」(仮称)の早期制定が求められている。
2000年4月から地方分権一括法が施行されている。このことによって、明治以降続いてきた中央集権・上意下達型社会から地方分権・切磋琢磨型社会への移行が始まってきている。この結果、差別撤廃や人権尊重の分野においても自治体の果たす役割が大きくなってきている。このため、部落差別撤廃をはじめとするあらゆる差別の撤廃をめざす条例、男女共同参画条例、子どもの権利条例、人権尊重の社会づくり条例等が極めて重要な役割を果たすところとなってきている。
大阪においても、多くの自治体でこれらの条例が制定されてきているが、制定された条例の実施およびまだ制定されていない自治体において制定されることが求められている。
以上の情勢認識を踏まえ、今年1年間、以下の課題に積極的に取り組んでいく。
一.「人権教育のための国連10年」に関して、第1次の総括を踏まえ第2次「国連10年」が取り組まれるよう活動を行なう。
一.パリ原則を踏まえた「人権侵害救済法」(仮称)の制定を求め取り組んでいく。
一.「国際人権規約」批准25周年を総括し、国際人権規約の完全批准と実施を求めていく。
一.日本が締結した人権関係条約の実施と未締結条約の締結を求めていく。
一.国レベルにおける人権に関する法制度の整備に向けた取り組みを行なう。
一.人権条例の具体化と未制定自治体での制定に取り組む。
一.日・韓人権文化交流に取り組む。
一.ユネスコの人種差別撤廃世界都市連合結成に向けた取り組みと連帯する。
一.世界人権宣言56周年にちなんだ取り組みを行なう。
一.人権の確立、平和の擁護をめざす国際機関、政府、地方自治体、民間団体および市民との連携の強化を図る。
今年で結成21周年目を迎える世界人権宣言大阪連絡会議に参画している私たちは、人権文化を構築するための一員として自覚をもち、この1年間、地域、職場、学校、家庭、団体内で世界人権宣言の精神の実現と第2次「人権教育のための国連10年」が取り組まれるよう、全力を挙げて取り組んでいくことを決議する。
2004年4月20日
世界人権宣言大阪連絡会議第21回総会
|