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2005.09.15

世界人権宣言57周年記念大阪集会にむけて
「職業と世系に基づく差別」について

・・・「職業と世系に基づく差別」は国際人権法で禁止されている差別の一形態です・・・

2005年12月9日(金)の世界人権宣言57年周年記念大阪集会で初めて「職業と世系に基づく差別」をテーマにしたシンポジウムを開催します。当日は国連人権保護促進小委員会の「職業と世系に基づく差別」に関する特別報告者である鄭鎮星さん(韓国・ソウル大学教授)をはじめ、インド、アフリカならびに日本からゲストをお招きし、「職業と世系に基づいた差別」のそれぞれの歴史と現状、差別撤廃に向けての課題そして国連やあるいは社会へ期待するものは何かについて話をうかがう予定です。

今ニュースでは12月集会に先立ち、「職業と世系に基づく差別」とはどんな差別なのか、また人権促進保護小委員会(人権小委員会)の取り組み内容について取り上げました。(文責 事務局)


●「職業と世系に基づく差別」とは?

「職業と世系に基づく差別」とは、国連人権促進保護小委員会(以下、小委員会)が、カーストに基づく差別、または過去の職業や身分を理由にした差別あるいは類似した形態の受け継がれてきた社会的排除を指すときに使用されている用語です。

 また「世系(descent)」は、「人種(race)」、「皮膚の色(color)」、「民族的(national)」、「種族的(ethnic)」出身と同様、この条約上の「人種」にあたるとして、国連で採択された人種差別撤廃条約の第1条に規定されています。

インド、ネパール、バングラディシュにみられるダリットに対する差別、日本の部落差別、他にもミクロネシアやアフリカ地域でも同様の差別があると報告されるなど、世界のあらゆる地域においてこの「職業と世系」に基づいた差別が存在していることが明らかになってきました。


●「職業と世系に基づく差別」について小委員会での取り組み


2000年8月、小委員会は職業と世系に基づく差別の問題について初めて決議を採択しました。この決議で、小委員会はこの種類の差別が様々な国に存在すること、関係政府はこの種類による差別を禁止し、救済を図るために措置をとること、差別行為については処罰・制裁をおこなうことなどを勧告しました。それ以降、小委員会はこのテーマについて一連の3つの作業文書を作成しました。

2004年8月、小委員会はさらに決議を採択しました。その中で、小委員会は2人の委員(横田洋三さんと鄭鎮星さん)を「職業と世系に基づく差別」についての特別報告者に任命し、この問題について提出された3つの作業文書と、それらが提出された時に小委員会で出された意見や議論を基に、「職業と世系に基づく差別」に関する包括的報告書を作成するように要請しました。特に、この種類の差別を撤廃するための原則と指針づくりを要請しました。

また、小委員会における「職業と世系に基づく差別」の問題についての取り組みとして、<1>調査・研究、<2>基準設定、<3>アドボカシーおよびモニタリングに関する活動が行われます。

今夏の小委員会で、国連の他専門機関、各国政府、そして各国の国内人権機関とNGOに対して「職業と世系に基づく差別」に関する質問状が作成され、2005年中にこの種類の差別の現状について情報提供をよびかけていく段階に入っています。


●国際的世論の高まり

「職業と世系に基づく差別」が国連の一つのテーマとして議論されてきた背景には、日本の部落解放運動やインドのダリットの人びと、さらにはIMADR(反差別国際運動)などNGOによる国際的な共同ロビー活動とキャンペーンなど地道な活動がありました。

特に、2001年に国連が主催した反人種主義・差別撤廃会議(南アフリカ・ダーバン)では、インドやネパール、日本から当事者が参加し、国際連帯をよびかけたことで、飛躍的に人々の関心が高まりました。   

また、2002年、国連の人種差別撤廃委員会は、人種差別撤廃条約第1条で規定された「世系」に関するテーマ別討議を行いました。そこで世系に基づく差別が「カースト及びそれに類似する地域の世襲制度など、人権の平等な享有を妨げ、または害する社会階層化の形態に基づく集団の構成員に対する差別を含むこと」を再確認するとともに、インドのダリットに対する差別、日本の部落差別がそれに含まれることを明確にしました。

このように、現在、南アジアのダリット、日本の部落に対する差別をはじめ、アフリカや世界各地で同じ種類の差別が存在することが明らかになりつつあります。そして、国際的にこの種類の差別が注目されてきたことで、当事者たちが差別撤廃にむけて連帯するなど、国際的にも動きが活発になってきています。

【参考・引用文献】