世界中に人権文化を構築していくことをめざして1995年1月から始められた「人権教育のための国連10年」も残り1年余となってきました。
この間、世界的にも日本国内においても「10年」にちなんださまざまな取り組みが積み重ねられ、一定の成果を上げてきました。
とりわけ日本では、国のレベルで95年12月に推進本部が設置され、97年7月には、国内行動計画が策定されました。また、2000年12月には、あらゆる機会に全ての人々に人権教育・啓発を推進していくため「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が制定されました。さらに、多くの自治体やいくつかの民間団体でも推進本部が設置され、行動計画が策定されてきています。
しかしながら、「10年」も残すところ1年余となった今日、世界的にみると「10年」にちなんだ取り組みをまったく行っていない国が少なくなく、日本国内でも、まったく取り組んでいない地域や団体が存在しています。
また、世界と日本の人権状況を直視すると、深刻な問題が存在しているといわねばなりません。世界では、「9・11同時多発テロ」が勃発し、アフガニスタンに次いでイラクにおいても戦争が繰り広げられました。日本においても、企業倒産が相次ぐ中で、失業者が5%を超し自殺者も5年連続して3万人を突破しています。また、悪質な部落差別、民族差別事件が多発してきています。
このような内外の厳しい人権状況を直視したとき、1995年から積み重ねられてきた「10年」にちなんだ取り組みの成果と問題点を明らかにし、第2次「10年」が取り組まれる必要があります。
折しも、本日12月10日は、世界人権宣言が国連で採択されて55周年という記念すべき日に当たっています。この宣言は、第2次世界大戦を深刻に反省することの中から「差別を撤廃し人権を守ることが恒久平和を実現する道である」ことを基本精神にしています。
21世紀初頭の厳しい平和と人権をめぐる状況を踏まえたとき、今日ほど世界人権宣言の普及・宣伝と実現に向けた取り組み強化が求められているときはありません。
本日の集会に結集した私たちは、日本政府をはじめとする各国政府、さらには国連に対して、1995年1月より始められた「10年」を総括し、第2次「10年」に取り組むための討議を早急に開始することを強く要請するものです。
そして、すべての国、すべての自治体、すべての団体とすべての人びとが人権教育に取り組むことによって、世界中に人権文化が構築され平和が守られた21世紀を創造していくことを呼びかけるものです。