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2011.01.19
事業報告


2008年度事業報告

 

  全体の概要 

  ①2008年度は、大阪府・橋下知事によって一方的に推し進められた財政再建の名の下、研究所に対して
も、「情報収集提供事業」(具体的には図書資料室とウェブサイトへの補助)の大幅な削減やプロポーザ
ル方式の調査研究事業の廃止など約4800万円が削減されました。これに対して、会員の皆さまをはじ
め人権行政の大幅な後退を危惧する府民や全国の部落解放同盟や関係者の方々から、府に対する申し
入れや要望がなされました。また、2008年12月以降の急なお願いにもかかわらず、会員の皆さまを
はじめ、全国から個人、部落解放同盟や宗教関係者、企業関係者から約1800万円に及ぶ貴重なカンパ
と激励が研究所に寄せられました。ここに改めて御礼申し上げると共に、この難局を本年3月総会で
確認されました「研究所改革方策」に基づき克服していくことを強く決意する次第です。
②同時に2008年度は研究所創立40周年であり、2008年8月に「部落問題の今」をめぐる若手研究者の国
際ワークショップ・シンポジウムを万博記念基金等の支援を得て開催すると共に、記念出版として『部
落史研究からの発信』全3巻(近世・近代・現代)を編集・発刊することができました。
③各部ごとの主な取組みですが、研究部は、2008年度で終了した調査研究事業として、歴史部門では、
大阪の部落史委員会の事務局を担い1995年から14年間に及ぶ大阪の部落史編纂事業が終了し、『大阪
の部落史』全10巻が完結しました。啓発部門では第2次食肉業・食肉労働に関するプロジェクトと人
権啓発の現状把握と効果検証指標開発事業が終了しました。人権部門では、CSR報告書と人権情報
記載調査研究事業が終了しました。調査行政部門では、地域就労支援事業の相談者調査研究事業と部
落解放同盟大阪府連女性部からの委託の部落女性実態調査が終了しました。教育部門では、教育保護
者組織の現状と課題調査研究事業と人権教育啓発プロジェクト(特に「人権教育・啓発推進法」に基づく
自治体の取組み状況調査)が終了しました。
また情報提供収集事業として、図書資料室では約1000強件に及ぶレファレンスや年間約23万件の図
書資料室ウェブサーバーへのアクセスがあり、研究所ウェブサーバーへのアクセスは年間約438万件
ありました。
④総務部は、4回の理事会と2回の総会、2回の関西学長、人権・同和問題担当者懇談会等を開催すると
共に、個人会員676名、法人会員439団体の登録を実施してきました。
⑤編集販売部では、『ヒューマンライツ』をはじめ4点の定期刊行物や『大阪の部落史 第10巻』をはじ
め8点の単行本を編集・発刊しました。啓発企画室では、啓発相談事業(316件)や2期の部落解放・人
権大学講座(大阪)、1期の人権啓発東京講座、さらに第33回西日本夏期講座(佐賀県)、第39回夏期
講座(高野山)、第29回人権・同和問題企業啓発講座(大阪国際会議場)、第23回人権啓発研究集会(滋
賀県)等を成功裏に開催できました。

 

1.研究部の主な取り組み            

[1]調査研究事業
〈歴史〉
(1)2期・旧長吏文書研究会(2007~09年度)
→長吏文書研究会編『悲田院長吏文書』B5判上製801頁、2008年5月、発行
(2)近代日本のマイノリティ(2007~09年度)
→研究会の開催(5回)
〈啓発〉

  1. 第2次・食肉業・食肉労働に関するプロジェクト(2006~08年度)

  →『第2次・食肉業・食肉労働に関するプロジェクト報告書』発行、2009年3月
(4)人権啓発の現状把握と効果検証指標開発事業(2007~08年度)
→『人権啓発の効果検証に向けて』発行、2009年3月
〈人権〉
(5)CSR報告書と人権研究会(2008年度)
→『2008年度版CSR報告書における人権情報のグッド・プラクティス』
CSR報告書における人権情報記載状況研究に関しては、2005年度版・2006年度版の検討を踏ま
え、質的な側面を重視し、グッド・プラクティスの収集に努めた。その結果、323社の報告書か
ら、251点の好事例と、その中でも特徴的な記事を、その実物画像データとして収めた。
〈調査行政〉
(6)地域就労支援研究会(2007~08年度)
→『地域就労支援事業における相談者の現状と課題』を発刊
2007~2008年度にかけて「地域就労支援事業における相談者実態調査」を実施し、単に経済状況
のみならず、社会関係や健康状態など、多層的かつ動態的な困難の相互作用の結果、貧困状態に
陥っているとする社会的排除論を念頭において調査した。その結果、240票の回答を得、各項目
ごとの分析に加え、障害のある人、母子家庭の親、若年者等のグループごとの特徴を検討した。
〈教育〉
(7)人権教育啓発プロジェクト     
→『「人権教育・啓発推進法」に基づく計画等に関する調査報告書』(2008年12月)
http://blhrri.org/kenkyu/data/survey_on_HRE/index.htm
(8)教育保護者組織の現状と課題(2007~08年度)    
→研究報告書『大阪の部落における教育保護者組織―その現状と課題』(2009年3月)を発刊

  1. 青少年拠点施設プロジェクト(2007~09年度) 

→『ヒューマンライツ』2007年11月号(NO.236)から連載

 

[2]受託事業
(1)甲賀広域就労支援計画(2007~08年度)
→2009年3月、甲賀・湖南市の「甲賀広域就労支援計画」を提出
(2)部落解放同盟大阪府連女性部実態調査     
→『部落解放同盟大阪府連合会女性部調査報告書』発行、2009年3月

[3]補助事業
(1)人権情報収集・提供事業(ホームページの充実)

[4]部会活動を参照
(1)部門体制の整理と並行して、次回総会に部会体制の整理の方向を提案

[5]紀要『部落解放研究』の編集・刊行(第181~184号)
第181号:特集―人権行政を考える視点
第182号:特集―大阪の教育保護者組織
第183号:特集―近代部落史と人物
第184号:特集―人権学習における「参加型」再考

[6]第3回部落解放・人権研究者会議の開催(2008年7月)

      1. 歴史:「悲田院長吏文書について」
        中尾健次(大阪教育大学)
      2. 啓発:「部落問題に関する意識の変遷と啓発の課題」
        竹村一夫(大阪樟蔭女子大学)
      3. 調査:「児童養護施設経験者のインタビュー調査結果について」
        長瀬正子(常磐会短期大学)
      4. 教育:「大阪の教育保護者組織の現状と課題について」
        高田一宏(兵庫県立大学)

[7]『研究所通信』の編集(月1回、ただし11・12月、2・3月は合併号)
研究所各部局の取り組みをタイムリーに紹介することに努めたが、部会・研究会報告の原稿に関して
は温度差が大きい。通信原稿の執筆者確保に留意が必要である。

[8]部落解放研究第41回全国集会(宮崎県宮崎市2008年10月3~5日)の協力
[9]全国部落史研究交流会(神奈川県2008年7月)の協力

2、図書資料室の主な取り組み      

[1]図書・資料室機能の充実に取り組む。
(1)①新刊図書・資料の収集、受け入れ。(分類、バーコード・ラベル貼り、配列)
・新刊図書592冊、資料2,586冊受入
②蔵書・資料の整理。(分類、バーコード・ラベル貼り、配列)
・遡及受入842冊受入             
③府民への閲覧・貸出業務の実施(来館者数3,764人、カード登録数180人、貸出冊数3,110冊)。
④図書室の宣伝の強化、広く府民への周知。
⑤レファレンス機能の強化(相談件数1,062件)。
⑥新刊図書のニュースの定期的発行(新着図書 No.71~82発行)。
⑦文献データベース(696件、蔵書データベース4,098件の更新)。
⑧大阪府立中央図書館横断検索への参加、Webサーバーへのアクセス件数(234,483件)。
⑨資料室の整理、史資料の整理・保存対策、廃棄資料の有効活用、資料紹介。
・松本治一郎記念会館旧蔵資料の紹介(連載No.7~9で終了)。
⑩テレビ番組の収録。
(2)専門図書館協議会、日本図書館協会との連携(会員加盟)。
(3)関係団体・施設とのネットワーク構築。
①図書館・博物館における専門スタッフの役割を考える集い(5月28日エルおおさか)。
②人権資料・展示ネットワーク総会への参加(9月25・26日、福岡県人権啓発情報センター)。
③社会・労働関係資料センター連絡協議会(事務局・法政大学大原社会問題研究所)2008年度総会への参加(10月29日、エルおおさか)。
(4)各種実績の作成(2008年4月~2009年3月)。
(5)『人権年鑑2009』の編集・発刊(3/16)。『全国のあいつぐ差別事件2008年度版』の編集協力。
(6)2009年度大阪府・大阪市・堺市予算編成にむけた取り組み(11/7 11/10 11/26)

3、総務部の主な取り組み      

[1]理事会の開催
(1)2008年度第1回理事会    日  時/2008年5月31日(土) 13:30-
場  所/大阪人権センター 3F特別会議室
(2)2008年度第2回理事会    日  時/2008年9月13日(土) 13:30-
場  所/大阪人権センター 3F特別会議室
(3)2008年度第3回理事会    日  時/2008年10月8日(水) 13:30-
場  所/大阪人権センター 3F特別会議室
(4)2008年度第4回理事会    日  時/2008年12月26日(金) 13:30-
場  所/大阪人権センター 3F特別会議室
[2]総会の開催
(1)部落解放・人権研究所第68回総会   
①日  時/2008年6月24日(火) 13:00-17:00
②場  所/大阪市浪速人権文化センター
③記念講演/「自治体の財政再建と人権行政」 中川幾郎(帝塚山大学教授)
(2)部落解放・人権研究所第69回総会
①日  時/2009年3月9日(木) 13:00-17:00
②場  所/大阪市立住吉人権文化センター
③記念講演/「部落解放と国際連帯」 友永健三(部落解放・人権研究所所長)
[3]主任会議(実務者会議として実施)の開催
月1回開催
[4]職員会議の開催
月1回開催
[5]正(個人)会員
(1)会員数 676名(2006年度697名)
(2)部門別会員数
啓発         95名 (前年度比 7名減)
人権        116名 (前年度比 6名減)
調査・行政    66名 (前年度比 2名増)
教育・地域   150名 (前年度比 9名減)
歴史・理論   135名 (前年度比 1名増)
無所属      114名 (前年度比 2名減)
(3)評価と課題
30名の新規会員の入会を得た(2007年度の新規会員数は40名)が、会員数は、右肩下がりで年々
減少している。研究所をとりまく状況の急激な変化を踏まえ、正(個人)会員だけでなく、学生・院
生(会費3000円)への働きかけを行うなど組織的に取り組むよう努力したい。
[6]特別(団体)会員
(1)会員数 439件 (最低目標450件、2007年度444件)
内、新規1件(ブラザー工業㈱)
(2)評価と課題
新規は、ブラザー工業㈱の1件のみで、減少の一途をたどっている。会員拡大については、研究所各部局の情報交換と総意を結集した総合的な取り組みが必要である。
[7]機関業務
研究所全体の庶務にかかわる事務を処理した。
[8]関西学長、人権・同和問題担当者懇談会の開催
(1) 2008年7月24日(木) 大阪人権センター
テーマ①/「『世界人権宣言60周年の意義と課題』」
(報告者) 友永健三(部落解放・人権研究所所長)
テーマ②/「『世界の大学院における人権教育・研究の動向』」
(報告者) 阿久澤麻理子(兵庫県立大学准教授)
(2) 2009年2月9日(月) 大阪人権センター
テーマ①/「『部落問題の今』をめぐる若手研究者の国際ワークショップ・シンポジウムの報告
と今後の課題」
(報告者) 平沢安政(大阪大学大学院人間科学研究科教授)
テーマ②/「大阪における大学生の公正採用選考の取り組み」
(報告者) 上田雄二(大阪府商工労働部雇用推進室福祉課職業啓発グループ総括主査)
[9]2009年新春マスコミ懇談会の開催
2009年1月15日(木)、ホテル大阪ベイタワー
[10]職員研修の実施
(1)定期研修(センター専従者友の会学習会と合同)
同和行政をきちんと理解するために(2008年11月21日(金))
(報告者) 村井 茂(大阪府人権協会専務理事)
[11]その他
えせ同和行為等根絶大阪連絡会議
同和問題解決(部落解放)・人権政策確立要求大阪実行委員会

4、啓発・販売部 編集販売部門の主な取り組み   

2008年度発刊実績は次の通りである。
定期刊行物:『ヒューマンライツ』、『部落解放研究』(研究部)、『人権年鑑2009』(図書資料室)、『全国のあいつぐ差別事件2008年度版』(編集)、『大阪の部落史 第10巻本文編』(大阪の部落史)新刊書~7点 
[1]定期刊行物の発刊
(1)編集販売部が発刊したもの
①『ヒューマンライツ』(№241~252)
1)特集タイトル
4月号(№241)愛知で人権啓発研究集会
5月号(№242)求められる人権救済制度の確立
6月号(№243)遺志を継ぎ、前へ
7月号(№244)人権理事会で議論された日本の人権状況
8月号(№245)安心・安全のまちづくりと人権行政
9月号(№246)大河につながる水滴に
10月号(№247)国際的文脈で語る「部落問題の今」
11月号(№248)さまざまな転換点
12月号(№249)変化の兆し 
1月号(№250)差別と格差は二人連れ
2月号(№251)届け、マイノリティへ女性差別撤廃条約
3月号(№252)排除と差別の連鎖
②『全国のあいつぐ差別事件 2008年度版』2007.10、3000部(編集)

(2)他部室が担当し発行したもの
①『部落解放研究』季刊(研究部)
②『人権年鑑 2009』2008.03、1700部 (図書資料室)
③『大阪の部落史 第十巻 本文編』2009.03、1000部(大阪の部落史委員会)

[2]単行本の発刊
(1)編集販売部が担当し発刊したもの
①新刊/編集販売部で企画・編集 6点
竹村毅著『CSR(企業の社会的責任)と人権 雇用・職業を中心に』初版1刷 2000部(2008.7.18)
朝治武著『アジア・太平洋戦争と全国水平社』初版1刷 1000部(2008.7.30)
『全国のあいつぐ差別事件2008年度版』初版1刷 3000部(2008.9.25)
木村涼子・古久保さくら編著『ジェンダーで考える教育の現在 フェミニズム教育学をめざして』初版1刷 1500部(2008.11)
研究所編『「インターネット」と人権を考える ネット社会を生き抜くために』初版1刷 1500部(2009.2.27)
寺木伸明・中尾健次編著『部落史研究からの発信』第1巻前近代編初版1刷 1500部(2009.3)
②その他
『ローカルとグローバルの交叉のなかで 1968.8-2008.8』(社)部落解放・人権研究所創立40周年記念式典・レセプション用資料
③増刷
1)『おとなの学び 人権研修リーダーのために』初版2刷 1000部(2008.7.5)
2)『金香百合のジェンダーワークショップ』初版5刷 1000部(2009.1.9)
3)高田編著『コミュニティ教育学への招待』初版2刷 500部(2008.12.19)
4)岡田耕治『対話からはじまる人権学習 地域・職域・学校』初版4刷 1000部(2009.1.21)
5)森田ゆり『多様性トレーニングガイド』初版9刷 1000部
6)竹村毅『CSR(企業の社会的責任)と人権 雇用・職業を中心に』初版2刷 1000部(2009.2.27)

(2)他部室が担当し発刊したもの
①新刊
1)『悲田院長吏文書』300部(2008.5)(研究部) 
2)研究所編『世界人権宣言の実現にむけて 日本の人権課題から』初版1刷 2000部(2008.11.28)(世人代)

(3)2009年度進行中の企画
済①部落解放・人権研究所編『部落史研究からの発信』(第2巻 近代編)※40周年企画  5/8納品 
②部落解放・人権研究所編『部落史研究からの発信』(第3巻 現代編)※40周年企画
③研究所編『児童養護施設』 研究プロジェクト成果
④森田ゆり著『ダイバーシティ・トレーニングガイド 職域編』7月末脱稿 10月刊行予定 
⑤おとなの学び研究会編『おしゃべりの道具箱』6月末脱稿 10月刊行予定
⑥平川宗信著『ヒューマンライツベーシック 報道と人権 裁判員制度を視野に』(仮)
⑦中川幾郎著『ヒューマンライツベーシック 行財政改革と人権』(仮)高野山夏期講座目標
⑧村上正直著『ヒューマンライツベーシック 人種差別撤廃条約と日本』(仮)11月末刊行予定
⑨中尾健次著『悲田院文書から見る大阪の被差別民』(仮)企画
⑩寺木伸明編『「大阪の部落史」と前近代の被差別民衆』(仮)企画

5、啓発・販売部 啓発企画室の主な取り組み

[1]自主講座事業の実施
(1)部落解放・人権大学講座の開催
①第95期
開催期間 6月3日(火)~12月16日(火)までの期間の内、29日間
受講生数 56名(1名、異動のため未修了)
②第96期
開催期間 10月9日(木)~3月19日(木)までの期間の内、29日間
受講生数 60名(1名、業務多忙のためレポート未提出)
③受講生の内訳(単位は名)
行政(42)、他府県行政(5)、企業(61)、人推協(2)、宗教(2)、福祉関係(2)
、個人(1)
④新規受講 6名
⑤評価と課題   
・2008年度から解放大学を2期開講としたので、受講生数は95期・96期ともに55人を上回った。しかし日程の選択肢が減ったため、受講を断念された派遣先もあった。
・受講生数は昨年度に比べ16人の減少だが、内、13人は、大阪府・大阪市からの派遣の減少である。
・研究部の「人権啓発効果検証研究会」により、96期生を対象として開講時・修了時のアンケート調査を実施。受講前と受講後の変化を読み取ることで、解放大学の効果を測定した。
・修了時に「さらに学びたいこと」を問うたところ、研修スキルや参加型研修の手法についての希望が多かった。「ゼミナールコース」や「人権啓発促進役経験交流会」を活用し、解放大学修了生がステップアップするための内容を企画したい。
(2)ゼミナールコースの開催         
①テーマ 「差別からみる日本の歴史」
②講 師 ひろた まさき(大阪大学名誉教授)
③開催日 11月21日、12月12日、1月16日、2月24日、3月13日    計5回開催
④参加者数 全回参加 15名(内、解大修了生2名)     聴講参加 19名(内、解大修了生7名)
(3)人権啓発促進役経験交流会の開催
第11回  7月12日(土) 参加者18名
第12回  9月20日(土) 参加者20名
第13回 12月20日(土) 参加者17名
(4)解放大学通信「あしはら」の編集・発行
(5)社会啓発連続学習会の開催
①開催日 7月4日(金)、7月28日(月)、10月24日(金)、11月18日(火)、12月3日(水) 計5日間
②内 容 前年度に全国各地で制作された部落問題・人権問題の啓発映像を上映し、活用方法などについて意見交換を行う。
③上映本数 15本
(6)第21回人権啓発東京講座の開催
①開催期間 10月22日(水)~12月3日(水)までの期間の内、12日間
②受講生数 47名
*各事業の内容は研究所のホームページをご覧下さい。
[2]実行委員会に参画し、事務局を担当している講座事業の実施
(1)第33回部落解放・人権西日本夏期講座
①開催日時 7月16日(水)、17日(木)
②開催場所 佐賀県総合体育館
③参加者数 4,284名
(2)第39回部落解放・人権夏期講座
①開催日時 8月20日(水)~22日(金)
②開催場所 高野山大学松下講堂黎明館他
③参加者数 1,629名
(3)第29回人権・同和問題企業啓発講座
①開催日時 第1部 9月24日(水)
第2部 10月7日(火)
②開催場所 大阪国際会議場(グランキューブ)
③参加者数 3,309名
(4)第23回人権啓発研究集会
①開催日時 2月12日(木)、13日(金)
②開催場所 滋賀県立文化産業交流会館他
③参加者数 4,137名
*各事業の内容は研究所のホームページをご覧下さい。   
[3]教材開発・作成事業の実施
(1)タイトル 「メンタルヘルスと人権」(仮)
(2)完成予定日 2009年7月
(3)そ の 他 本事業は、従来、大阪府、大阪市、堺市、研究所の4者による共同事業であったが、2008年度は研究所の自主事業である。
[4]啓発相談事業の実施
(1)相談受理数 316件(前年度422件)
(2)事業内容(単位は件)
①相談者の地域層
大阪府内(30)、大阪市内(69)、堺市(4)、大阪府外(84)、海外(1)、不明(9)
②相談者の所属
企業(56)、行政(62)、学校(13)、マスコミ(1)、宗教団体(5)、教育団体(6)、地域団体(17)、市民団体(13)、福祉関係(6)、研究者(6)、一般(5)、その他(7)
③相談方法(複数)
電話(192)、FAX(6)、E-mail(60)、来所(21)、手紙(25)、現地で(13)、その他(1)
④相談内容(複数)
ヒアリング(4)、企画相談(29)、文献紹介(41)、講師紹介(177)、用語・概要についての照会(9)、現地研修(18)、その他(40)
*企画相談の内容、構成、手法、内容、その他である。
*文献照会の内容、書籍、資料、ビデオ、教材、その他である。
(3)その他
本事業は、従来、大阪府人権教育啓発事業推進協議会からの受託事業であったが、2008年度は研究所の自主事業である。
[5]2008年度(財)大阪府人権協会受託事業の実施
(1)事業名 視聴覚教材の調査研究
(2)成果物 啓発活動調査研究報告書(報告書参照)
(3)報告書の目次
①はじめに
②2008年度の調査に関する概要
③2007年度制作作品の傾向等分析
④2007年度制作作品一覧
⑤2007年度制作作品データ
⑥参加者から寄せられた感想
⑦活用事例集
⑧今後の課題
(4)その他 
本事業は2008年度で終了。
(5)評価と課題
本事業は、研究所が主催する社会啓発連続学習会と連携して取り組んだ。また、成果は、『人権年鑑』や人権啓発研究集会(分科会)に反映させることが出来た。
[6]その他 
(1)部落解放文学賞評論部門事務局
(2)啓発連絡会への参加
(3)国際人権大学院大学(夜間)の実現をめざす大阪府民会議事務局会議への参加

6、国際関係の主な取り組み      

(1)英文ニュースを充実させ定期的に発行した。
(2)部落問題に関する本格的な英文の出版物の発行を追求した。
(3)韓国、中国、インド等の研究者や関係機関との連携を強化した。
(4)国連の人権活動との連携を強化した。
(5)世界人権宣言60周年にちなんだ取り組みを行った。
(6)反差別国際運動(IMADR)、同日本委員会(IMADR-JC)等の活動に積極的に参加した。
(7)世界人権宣言中央実行委員会、同大阪連絡会議等の活動に積極的に参加した。
(8)SOSトーチャー翻訳委員会の事務局を担当した。(なお、研究所体制や予算のスリム化をする必
要があるため、2009年3月末で、SOSトーチャー翻訳委員会の活動を終結した。)
(9)英語のホームページの内容充実、国外の団体や研究者への情報提供促進に取り組んだ。
(10)部落問題を研究する若手の研究者の国際的ネットワークの構築に取り組んだ。
(11)パネル貸し出し・冊子販売の普及・宣伝に取り組んだ。
(12)四川大地震の被害者救援カンパ活動に取り組んだ。

7、研究所創立40周年記念事業の主な取り組み  
(1)「『部落問題の今』をめぐる若手研究者の国際ワークショップ・シンポジウム」の開催
(2)『部落史研究からの発信』全3巻の編集・発刊

8、研究所が事務局を担当している主な取り組み
[1]大阪の部落史編纂事業
(1)『大阪の部落史第10巻 本文編』を発刊
(2)『大阪の部落史通信』43・44号を発刊
(3)企画委員会を開催 6/ 、3/23

[2]原田伴彦記念基金
(1)第23回運営委員会開催(2008年6月13日)
(2)3事業について
①第9回原田伴彦・部落史研究奨励金の募集と選考  
2名の応募があり、選考の結果、2名に研究奨励金を支給した。
②マイノリティ研究会への助成をした。
③「『部落問題の今』をめぐる若手研究者の国際ワ-クショップ・シンポジウム」開催へ一部助成した。

 マイノリティ研究会
2009年2月15日(日)に第71回研究会を次のような内容で開催した。「UPR審査と自由権委員会の審査から見た日本の人権課題」(報告者 海渡雄一弁護士、監獄人権センター事務局長)、「国連人権理事会諮問委員会について」(報告者 坂元茂樹 人権理事会諮問委員、神戸大学法学部教授)。

[3]識字活動支援「安田識字基金」

2008年3月7日選考委員会
2007年の内山一雄委員の死去に伴い新たに岩槻知也委員を迎え、上杉孝實・榎井縁・岩槻知也・友永健三の4委員体制で運営していくことが承認された。第4回の事業助成は、計6件の応募について審査を行い、国外2件、国内3件の計5件が決定した(下記(1)を参照)。

2008年12月25日運営委員会
第3回助成事業の最終報告および第4回助成事業の中間報告について審査を行い(下記(2)(3参照))、運営委までに第4回中間報告が未着だったネパールのFeminist Dalit Organization (FEDO)についても、後日報告を受理した。

(1)第5回(2008年度)助成事業の選考結果
〈国外〉
①IMADRアジア委員会の「識字を通してマイノリティ・コミュニティをエンパワーする」事業(申請・事業対象国ともスリランカ:継続の最終年)に対し満額50万円。
スリランカの紅茶農園労働者は植民地時代に南インドから連れてこられたタミル人に起源をもち、特に低地のシンハラ人コミュニティにある農園では日常的に差別と暴力の被害に遭っている。また内戦のただなかにある東部州やウバ州の州都バドゥッラ県に移り住み、定住しつつあるロディアの人びとは、依然として古くからの住民にコミュニティから排除されている。これら、ゴール県の紅茶農園労働者およびバドゥッラ県の移動民族ロディアの両マイノリティ・コミュニティに対し、2005年から2年間助成を行ってきたが(07年度は未申請)、助成最終年度となる08年度は、マイノリティの権利擁護の強化、子どもの教育の促進、子どもや青少年のリーダーシップの育成、就学前の子どもに対するプログラムの継続、マイノリティとマジョリティの女性同士のネットワークづくりを目標として、これまでの活動を評価するワークショップをはじめ、対象グループごとのプログラムが予定されている。
②Feminist Dalit Organization (FEDO)(申請・事業対象国ともネパール;新規)に対し満額50万円。
ネパールでは、貧困を原因とする武装対立が10年にわたり人びとを苦しめてきた。貧困の大きな要因はカーストと性による社会的排除であり、女性全体、そして法律・行政により差別が禁じられた今なお「不可触」の扱いを受けるダリット、特に女性は、排除、差別、搾取を受け、社会の発展から置き去りにされている。ネパール全体の識字率65%に対し、ダリットは42%、ダリット女性はわずか24%である。教育は権利を学ぶための大きな要素であり、平和と女性の権利擁護を促進し、新しい世代のダリット女性に平等と公正のための協働を鼓舞するために、極西部のアチャム県と中西部のスルケット県のダリット女性に対する社会的識字学級の実施、そのための予備ミーティングとトレーナー対象の訓練が予定されている。
〈国内〉
①「高槻メディア・リテラシー・プロジェクト」による3カ年計画「若い人々への識字教育―メディア社会を生き抜くためのメディア・リテラシー」事業(大阪;継続)の3年目最終年度に対し、助成申請された20万円満額。
中学校の地区生徒および若者のエンパワメントと多様なコミュニケーションの創造をめざして、地域・学校・研究者のネットワークと協働によって高槻第四中学校での系統的・総合的なメディア・リテラシー教育のカリキュラム創造と実践に取り組む3年計画の最終年度である。1年目の準備段階を経て2年目に実施された昨年度の授業の評価をもとに、カリキュラムを修正しつつ2年目の授業に取り組むことでカリキュラムの確立をめざすとともに、教育関係者対象の連続講座を実施したり、授業の一環として生徒が制作した映像作品をヨーロッパのNGO主催の「1分間プロジェクト」に応募するなどして社会に対する発信を行っていくことも計画されている。
②NPO市岡国際教育協会による日本語が不自由な日本人・外国人対象の「市岡日本語教室」(大阪;新規)の2008年度の教室運営総予算のうち50万円の助成申請に対し、コピー機購入費」として20万円。
大阪府立市岡高校の定時制課程廃止を機に、「夜学の灯」を残そうと同窓会・教職員中心に市岡国際教育協会を発足させ運営されてきた「市岡日本語教室」は、ボランティア(現在約140名)の参加を得て現NPOに引き継がれている。約240名の登録者のうち平均で約1/4が参加する学習者にボランティア講師が一対一でつき、学習者に応じた学習を行っている。運営費はボランティアの入会費と年会費に頼っているが、同窓会会員の減少や備品の劣化等により運営環境が厳しくなっている。
③「日本語の広場」による日本語読み書き教室「日本語の広場」(兵庫/大阪;継続)に対し、次年度からは別の方途を探ってもらう前提で、昨年度と同額の10万円。
10年以上も箕面市教育委員会主催事業だった「日本語よみかき教室」の突然の廃止で、2007年度からは自主運営を余儀なくされた「日本語の広場」は、運営資金源を他に確保できないまま、昨年度と同等の活動の継続が期待されている。

(2)第3回(2007年度)助成事業の最終報告審査
〈国外〉50万円
 ① Society for Rural Education and Development (SRED; 農村部教育開発協会)
Liberating Mathammas マサマの解放(申請・事業対象国ともにインド。新規)
最終報告においては、特に「Leadership Literacy Trainings」および「Legal literacy Training and Support」の取り組みの具体的内容・成果をできるだけ詳しく記述してもらうという前提で、186,000ルピーの申請に対し、送金手数料を含めて上限額の50万円(17万7,745ルピー)

 〈国内〉計100万円
 ① 岬町地域教育協議会
「識字文化」発行事業(大阪;新規)
2007年度1年間の総事業予算50万円の申請のうち、「消耗品費と通信費」で4万8,600円、「印刷費」として10万1,400円の計15万円
 ② 青春学校
識字の成果としての「自分史」の執筆支援―自らの歴史と社会を結びつける想像力の獲得をめざして(福岡;継続)
継続事業の最終年度にあたって助成申請された15万円の全額
 ③ 日本語の広場
「日本語の広場」(兵庫/大阪;新規)
次年度からは別の方途を探ってもらうことを前提に、2007年度1年間の事業費10万円の全額
 ④ 高槻メディア・リテラシー・プロジェクト
若い人々への識字教育―メディア社会を生き抜くためのメディア・リテラシー(大阪;継続)
実践的側面に比重をおいた事業計画にしてもらうという条件で、2007年度助成申請額20万円の全額(事業は2008年度まで3カ年計画)
⑤ ききとり識字教材化委員会
「被差別部落の女と唄」の再構成と新たな識字教材の創造(大阪;継続)
継続事業の最終年度にあたって原稿作成から編集、印刷・製本等の一部として申請された50万円のうち、助成が期待できる別の基金を紹介するという前提で、半額の25万円
⑥ NPO法人在日外国人教育生活相談センター・信愛塾
在日外国人のミニ・コミュニティ育成の日本語教室(神奈川;新規)
最終報告において、日本語教室の実施状況をなるべく詳細に記述してもらう前提で、申請された50万円のうち15万円

(3)第4回(2008年度)助成事業の中間報告審査
〈国外〉計100万円
① IMADRアジア委員会
Empowering Minority Communities through Literacy(申請・事業対象国ともスリランカ:中断あり継続3カ年の最終年)
「識字を通してマイノリティ・コミュニティをエンパワーする」事業に対し、満額の50万円
② Feminist Dalit Organization (FEDO)
Educate the Dalit Women(申請・事業対象国ともネパール;新規1年間)
「ダリット助成を教育する」事業に対し、満額50万円。

  〈国内〉計50万円
① 高槻メディア・リテラシー・プロジェクト
若い人々への識字教育―メディア社会を生き抜くためのメディア・リテラシー(大阪;継続3年間、最終年)
3年目最終年度に対し、助成申請された20万円満額。
② NPO市岡国際教育協会
日本語が不自由な日本人、外国人の方々への日本語教室開催(大阪;新規1年間)
2008年度の教室運営総予算のうち50万円の助成申請に対し、コピー機購入費」として20万円
③ 日本語の広場
「日本語の広場」(大阪;継続2年間、最終年)
次年度からは別の方途を探ってもらう前提で、昨年度と同額の10万円(本当は昨年度のみ助成だったが、今年度の応募件数が少なかったため助成が実現))

[4] 国際人権大学院大学(夜間)の実現をめざす大阪府民会議の取り組み
(1) 総会を9月25日(木)に開催した。総会の記念講演としては「世界、とくにアジア太平洋地域の大学における『人権プログラム』の特徴と意義~学際的・国際的・職業横断的な人権研究・教育ネットワークを築く試み」をテーマに阿久澤麻理子・兵庫県立大学准教授にお願いした。
(2) プレ講座として「格差社会から見えるさまざまな人権」コース(5回)を開催しました(08年10/9、10/16、10/23、10/30、11/6)。
(3) 引き続き、インターネットを活用した「世界の大学院大学における人権教育・研究の動向」調査報告書の作成やアメリカ・イギリスなどへの調査・研究を行った。
(4) ほほ月一回事務局会議を開催した。

[5]世界人権宣言大阪連絡会議
(1)冊子「世界人権宣言」を発刊(作成・販売)
(2)世界人権宣言60周年記念大阪集会の開催(12月10日)
(3)国際人権規約連続学習会の開催(第294~304回)
(4)第17回ヒューマンライツセミナーの開催
(5)啓発ポスター作成(5月憲法、12月人権)
(6)ニュースレターの発行(第308号~319号)
(7)総会開催(4/21)
(8)地域ブロック会議開催(6/3~5)