〈第2報告〉
旧の滋賀県甲賀郡域が町村合併で甲賀市と湖南市と2つの市にわかれ、両方あわせて人口15万。
当センターは鳥取県人権文化センターと同じ法務省認可。「人権尊重のまち宣言」、人権条例を基本に、これらを行政施策として推進していくための専門機関として、1999年4月に設置された。
両市ともに「人権に関わることはなんでもセンターに相談したら」とトップが支持してくれているので、連携ができている。
甲賀・湖南地域の行政職員の職階別研修はすべてセンターがコーディネートしている。企業人推協と連携しながら行う企業研修や、学校の教職員・保護者への研修もしているが、常に職員が現場に足を運び、悩みに答えていける研修計画・講座をしている。保幼小中に働きかけ、同和研修部など人権問題の専門的な部を8割強で設置していただけた。市会議員さんも自ら人権尊重推進議員会という組織をつくられ、当センターが定期的に学習会を実施している。
調査研究としては町村合併の際の05年3月に意識調査を行ない、5年ごとに行う予定。土地差別の調査や男女共同参画、障害者の実態調査も行政と共にすすめている。また部落解放・人権研究所にお願いし就労支援計画も行っている。
人権関係資料・情報の収集には力を入れていて、全国人権展示ネットに参加し、職員には外部研修への積極的参加を促している。
他のセンターに比べて若干弱いのはいわゆる「社会的弱者」に対する就労支援など福祉向上の取り組み。人権週間の街頭キャンペーンなど、行政が月間・週間啓発活動を行う際の物品事務を障害者の作業所でつくるなどのコーディネートをしている。在日外国人支援では、湖南市は人口の約8%、甲賀市も約5%のニューカマーがおられ、医療、教育等の相談や教育ガイダンス、母語・日本語の学習会など開催している。
また啓発活動では、街角で歌っている若者たちに人権コンサートに無料で出演してもらい、参加者が広がっている。その歌詞から若者の思いをとらえられるという点でもいい手法だと思う。
人権相談は毎年250件近くある。来た相談は全て受け、専門機関へつなぐ場合でも職員が同行し、最後まで安心できるようなコーディネートをしている。顧問弁護士、顧問税理士とも契約しており、職員対象に詳細なマニュアルをもとに学習会を何回もしている。
ネットワークサロン支援事業では、26の市民団体が登録され、半期2万円程度の支援をしている。定期的に集まり意見交換しながらネットワークを広げている。
今後も同和問題の解決を柱におきながら人権問題に取り組んでいこうと思っている。
なお、静岡人権啓発センター、徳島県立人権教育啓発推進センター、近江八幡市人権センター、和歌山県人権啓発センターからのご参加を得、簡単な活動報告と情報交換も行われた。
(文責:栗本知子)
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