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企業部会・学習会報告
2001.6.11

女性の視点からみた企業の評価
女性を活かす企業は伸びる

金谷千慧子

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1.「CHNGE」の時代を迎えて

(1)今、変革の時代

  • 雇用労働者の増加、特にハートタイム労働者の増加
  • 日本的雇用慣行(年功序列・年功賃金・企業内教育・組合)
  • 男性中心主義の終身雇用制度からの離脱

(2)今、中小企業の時代

  • 1999年「中小企業基本法」改正
  • 労働市場、雇用形態のフレキシブル化
  • アウトソーシングの増加、非正規従業員の処遇の改善
  • 中途採用の増加→年齢制限の撤廃
  • 創業・経営革新向け専門サービス
  • 雇用管理・賃金体系の変化
  • 成果主義、成果報酬(短期・長期インセンティブ)

○ アメリカの中小企業と雇用の創出

○ 「Small is beautiful」

2.今、女性の時代

(1) 雇用機会均等法化の女性たち

  • 改正均等法の内容
  • 努力義務規定から禁止規定へ
  • 禁止規定項目
  • 保護規定の改正
  • 均等法の改正と深夜労働の問題
  • ILO156号条約(家庭責任条約の批准)
  • グラスシーリング(管理職への登用)
  • セクシュアル・ハラスメントへの配慮義務

(2) 女性とリーダーシップ

  • 就業意欲の変化
  • M字型就業形態の変化
  • メンタリングスキル

(3) 女性社員活用の変革

  • 行動ビジョンの明確化
  • トップから徹底する
  • 女性活用の目標を持つ
  • 女性活用のコスト計算

(4) 女性の経営参画

  • 総合戦略化に欠かせない女性の活用
  • 商品開発会議への参画
  • 実務能力・組織開発能力の開発

(5) 人材教育をかえる

  • 均等法に沿った新しい人事戦略
  • ポジティブ・アクション職域拡大

(6) 女性社員のパワーアップ研修

  リーダーシップ・コミュニケーショントレーニング

3.女性が働きやすい企業の指標とは

(1) キックオッフシンポジウム「アメリカ勝ち組み企業に学ぶ」のあとに

(2) 日本の場合には

「女性に優しい企業」とは。

公平で女性が力を発揮できる企業、ジェンダーバリアのない企業、女性に開かれたシステムを持つ企業を探す作業

● 差別をなくすことと平等を作り上げる二段階

第1の「機会均等度が高い1」(異動や研修、人事考課が男女平等)

  • ソニー:コース別採用を廃して、社員数の男女別把握も撤廃した
  • JTB:店舗営業部門役職に女性を大量登用、添乗業務でも男女の区別なくす
  • 富士通:新卒及びキャリア採用は性別、国籍等を問わない。配慮も男女を問わない

第2に積極的平等措置の実施

  • 日本テキサスインスツルメンツ;ダイバーシティ(多様性)プログラムで研修、配置、人事考課で女性の登用を進める
  • 日本モトローラ:プログラム(EAP)で社員の性別と管理職の性別比率を同じにする
  • 日本IBM:ウイメンズカウンシルが中心にメンター制度で女性管理職増大
  • 資生堂:ジェンダーフリー推進室をもうけて、女性の働きやすさを推進する

(3) 5つの指標(各20ポイント)

  • 第1に 機会均等度が高い
  • 第2に 積極的平等促進策がある(セクハラ対策)
  • 第3に 女性の管理職比率が高い
  • 第4に 仕事と生活のバランスを重視する(育児介護休業など)
  • 第5に 自社独自の女性活用課題の追求をしている

● 女子学生の人気企業ランキングの順位と一致

「イメージ型企業」と、若干異なる。

「女性の積極的活用」を評価する企業が上位になるという傾向は同じである。

(4) 対策

リーダーシップセミナーを実施する

  • 男女とも同僚であるという考えを徹底する
  • 女性の仕事の与え方を変えチャンスを広げる
  • 仕事と私生活の両立のために多方面で支援する
  • 業務評価制度を改める
  • 事業計画と人事計画の目標を再設定し、責任の所在を明らかにする
  • 社内外に対して計画の活動を公表し徹底する

4.アメリカ企業の場合−カタリストの活躍

(1)カタリスト(触媒の意、1962年に設立)

  • 企業で働く女性の昇進を促すことを使命に活動する米国の非営利組織
  • 調査・研究で女性の昇進条件や障害をつきとめ、男女の雇用均等をめざす企業にアドバイスする。

  • 第1、女性が職業で能力を最大限に発揮できるように援助する
  • 第2、企業が女性の才能や能力を充分に活用する支援する
  • 1977年以来、フォーチュン1000社の取締役会に、資格と経験を十分にもった女性をご紹介するデータベースをもっており、その女性達をじかに知っているのが強み

(2)アメリカの女性の実状(カタリストセンサス)

  • 米国、女性の労働力は全体の46%(日本は43%)
  • フォーチュン500社(フォーチュン社の選ぶベスト500社)では、管理職・専門職女性は49%、企業の役員は11.9%取締役では11.2%。

  • 女性の最高経営責任者(CEO)は3人。
  • ILOの統計(1997)によると、日本の管理職は8%だが、課長以上では3%

(3)有色人種女性が挙げる主な障害

  • 47%影響力ある助言者または後ろ盾となってくれる人物がいないこと
  • 40%影響力ある同僚と仕事を離れたインフォーマルなつながりがない
  • 29%同じ人種・民族集団の企業における役割モデルがあまりないこと
  • 28%目立つ仕事をあまり任せてもらえないこと

5.パートの働き方の問題−

オランダのパートタイム労働を考える

(1)オランダの奇跡は「パートタイム革命」

  • 「オランダ病」から「EUの優等生」へ
  • オランダ病とは−
  • 天然資源(天然ガス)の下落、財政支出の大、失業の増大(12%)

(2)パートタイム経済の誕生

  • パートタイム労働者は、正規雇用者
  • 雇用の増大の4分の3はパートタイム雇用によるもの
  • 仕事と家族と関係を和解させたい
  • フルタイムパートの取り扱いを平等にする

(3)夫婦で「1.5人」前の働き方

アメリカ型は、「2.0人」型共働き

  • 1996年労働時間差差別を禁止する法律
  • パートタイムとフルタイムの差別が消滅した。法的措置を明快に導入し実態として差別がなくなってきた国は、世界でオランダが最初である。
  • パートとフルタイムとの時間あたりの賃金格差は5%