最初に、中村清二より『2008年版CSR報告書における人権情報のグッド・プラクティス』の概要が、1.調査の目的と概要、2.人権・好事例の選定基準、3.調査結果の概要:「トップステートメント」「企業行動憲章」「調達・取引基準」「労働者の人権(差別禁止・労働条件・人権教育・女性・障害者・高齢者・非正規社員など)」「本業を通じた取組み」「本業を活用した社会貢献」「本業とは関係のない社会貢献」「外部評価」「CSR指標化」といった項目ごとに紹介された。
続いて意見交換には入り、1.企業の人権に対する様々な肯定的取組を評価し情報発信してもらえることはありがたい、2.だからこそその評価基準は重要であり、さらに精査していってほしい、3.CSRは欧州では労働(における社会的排除)問題が原点だが、日本企業では環境問題や狭いコンプライアンスが主になって人権や労働が弱いことへの警鐘の意味でも重要、4.ISO26000は他のISO規格のようなプロセス重視・認証型と全く異なり、パフォーマンス重視の非認証型(自主的な目標設定)であり、人権分野での取組を注視していく必要がある、5.啓発上でも企業とステークホルダーとの人権分野における「良い出会い方」を知らせることができ意義は大きい、6.業種別全体の取組が分かるような工夫があればありがたい、等の活発な意見が出された。
本年度も「2009年版CSR報告書の人権情報記載におけるグッド・プラクティス」の研究会が始まろうとしており、誰でも参加できるので、積極的なご参加をお願いしたい。(文責・中村清二)
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