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国際人権部会・学習会報告
1997年9月8日
南アフリカ共和国
「ヘレン・ジョセフ女性発展センター」
支援事業報告(1992〜1997年)
〜南アフリカ黒人女性の自立と差別の撤廃を目指して〜

(報告)松本めぐみ(反差別国際運動日本委員会)

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反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)が、1992年より5年間支援活動をしてきた、南アフリカ共和国(以下、南ア)黒人女性の自立のための「ヘレン・ジョセフ女性発展センター」(以下、センター)への資金援助は、1997年3月末をもって終了した。

 センター建物の建設から始まり、センター併設の保育所建設が完了したことをくぎりとするこの5年の間に、センター活動の一定の基礎を築くことができたといえるだろう。

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5年間で、必ずしも多くのことはできなかった。しかし、センターの活動の基礎を築き北ケープ州の黒人女性自立活動のための種を蒔いた。ゼロからスタートした活動開始当初の頃のことを思い返すと、センター建物の充実、保育所の建設、各種プロジェクトの充実、係わる人々の増加……と感慨深いものがある。

なによりも草の根の女性たちの、目を見張るほどにエンパワーメントされる姿にこの取り組みの素晴らしさ、正しさを確信することができた。アパルトヘイトという犯罪的差別がもたらした傷痕は人々の生活の隅々にまでおよび、センターの活動の様々な部分で壁となって立ちはだかった。

しかし皆が未来に向かって希望を持って生きることができるようになった今、センターのような地道な草の根の活動がそれを乗り越えさせることだろう。

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実務能力の養成、センター自身の自立、資金の獲得など今後に残された課題は大きい。しかし、新生南アの、政府行政の力、長い間解放運動を闘ってきた民衆の組織や力、何よりもこの5年の間にセンターによってエンパワーメントされた北ケープ州各地にいる草の根の女性たちの不屈の力がセンターを一層発展させていくであろうことを信じる。

IMADR-JCとしては、今後は、交流プログラムを中心に取り組んでいきたいと考えている。