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最近では公害の発生源、被害者層、程度などが広域化し、環境問題もグローバル化している。例えば地球温暖化の問題では二酸化炭素(CO2)が問題となっているが、これは先進国が出したガスが地球全体に温暖化をもたらしているという問題である。
地球温暖化は人権侵害のグローバル化であり、特に問題なのはそうした被害が、発展途上国を中心とした被害に対処できない弱い立場にある人々に大きく影響している点である。
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京都会議でも「公正」という点が先進国対発展途上国の1つの論争のポイントとなった。一部の先進国だけが利益を得て、発展途上国はグローバル化の利益を受けずに環境破壊のしわ寄せだけを受けているとして、先進国に「公正」を訴えている。
「公正」とは、・国内での公正問題、・先進国と途上国間の公正、・今の時代の人間と将来の人間との間の公正(世代間の公正)の3つについていうことができ、これは人権問題と共通する。企業も一般市民もこの「公正」という概念を元に生活スタイルや構造を変えていき、これが1つの社会倫理にならなくてはならない。これがいわゆる環境倫理学である。
また、市民や企業の意識革命を行っていくのと同時に、消費をさらにアップさせようとする企業やマスコミによる逆行の意識を抑制していくことも必要である。 昨年12月1日から11日まで京都で開かれた「気候変動枠組条約第3回締約国会議」(温暖化防止京都会議)では、地球温暖化防止に向けた国際的な取り組みを定める法的拘束力をもつ京都議定書が採択された。効力を発するのはおそらく2000年頃になるだろうが、この議定書の実効性を確保するようなシステムをつくり出すことが必要である。
NGOは目標を厳しく設定することにのみ焦点を当てがちだが、実効性確保がまず何よりも必要である。法的対策として条約・議定書を国内で実施するために、地方自治体、産業、NGO、消費者、労働界から諮問した温暖化対策基本法・基本計画の制定が必要である。
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政策と措置に関しては、NGOの支援によって啓発を推進していく、政策・計画策定の過程でNGOの協力を取り入れていく、年次白書をNGO参加で検討し、NGOの意見が入らなければNGOは反論ができる、NGOを含む調査委員会は議定書が守られなかった場合にはその原因を究明してそれによってさまざまな措置・指導を行う等といった、NGOとの協力関係の確立が市民の意識変革のために絶対に必要である。