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国際人権部会・学習会報告
1999年10月4日
内戦下のアフガニスタンの女性、子ども、難民の現状」

(報告)ファタナ・ガイラニ(アフガニスタン女性協議会代表)


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 1979年のソ連の侵攻以来、アフガニスタンは平和を失った。ソ連軍との戦闘、そして撤退後に始まった内戦で大量の犠牲者が出た。とりわけ男性たちが命を落とし、女性と子どもが取り残された。長引く内戦は、実はアフガニスタン人だけの争いでもなく、イスラム教の教義をめぐる問題でもないと考えている。事態の背景には様々な外国勢力が控えており、それらの利害が深く、しかも複雑に結びついているのである。

 96年以来、神学生を中心としたイスラム原理主義勢力タリバーンが、国土の大半を支配するようになった。彼らは、強権的に女性の就労や教育を一切禁止するだけでなく、1人での外出すら認めなくなった。大学などの教育機関も閉鎖された。言論や表現の自由が全く保障されなくなり、国全体が刑務所のようになってしまった。

 その結果、女性たちは生活の糧を得られず餓死したり、鞭打ち刑などによる厳しい制裁を覚悟で路上で物乞いをするしかない状況に追い込まれている。子どもたちもストリート・チルドレンになるか、タリバーンの兵士として訓練を受け、彼らの釈然としない論理と銃の撃ち方しか知らない大人になってしまうだろう。

 また、そうした状況から逃れたパキスタンで平和のために活動する600人のアフガニスタン人が、これまで何者かによって殺害されている。しかし、パキスタン政府・警察は犯人を誰1人として検挙したことがない。

 アフガニスタンに平和を取り戻すためには、国内での努力だけでは不可能だと思っている。国連をはじめとする国際機関が、本気で支援しない限り平和はやってこないだろう。日本政府や日本の人々に対しても和平実現と、女性や子どもの権利の保護のために積極的な働きかけや支援を望みたい。

※ 事務局注:ファタナさんは1954年、カブール生れ。19歳のときに難民としてパキスタンに逃れた。現在、同国のペシャワールでアフガニスタン女性協議会を設立し、代表として難民女性や子どものための医療、教育、自立支援のプロジェクトを進めている。女性や子どもの人権擁護を唱える立場から、夫のイシャクさんと共に、タリバーンの政策に批判的であるとして、暗殺対象者リストの筆頭にあげられている。

 (藤本伸樹)