調査研究

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2008.09.11
部会・研究会活動 <マスコミ部会>
 
マスコミ部会 学習会報告
2008年07月04日

問い詰められたメディアの倫理
-放送倫理・番組向上機構(BPO)の活動5年を振り返って-

松田士朗(前BPO統括調査役)

 「BPO」とは、「放送倫理・番組向上機構」(Broadcasting ethics & Program improvement Organization)の英語名の略称である。もともとは、1997年に設立された「放送番組向上協議会」と「放送と人権等権利に関する委員会機構(BRO)」を合併して2003年にBPOと改編されたものである。運営は、NHKと民放連・民放各局が経費を出し合って行われている放送界の自主規律機関である。

 日本の場合、放送は放送法・電波法のもとで管轄されているが、これは、いわば政府そのものが電波を管轄していることになる。したがって、放送内容について政府が何か発言することは直接「表現の自由」にかかわることになるので従来は差し控えられてきた。しかし、一方で放送に関わる自主規律機関は存在せず、1990年代のなかばころより、報道による人権侵害や子ども・若い人々へのテレビの影響などについて議論が活発化し、放送事業者への批判が高まるなかで、放送事業者もこのままでは政府の介入を招くという判断のもとにBROが設立されたのである。

 マスコミ部会では、讀賣テレビをへてBPOの三委員会の1つである「放送人権委員会」統括調査役を務めた松田士朗さんをお招きして、BROからBPOと改編されたこの5年間の活動を中心にご自身の体験を踏まえてご報告いただいた。

 ご報告内容は、月刊『ヒューマンライツ』10月号に掲載予定である。

 また、第2報告としては、「『人権年鑑2008』マスメディアの項について」をテーマに中川健一さん(ジャーナリスト)にご報告をいただいた。

(文責:西村寿子)