連続講座の第三回目は、「メディアリテラシー」ワークショップを行いました。進行は、糀秀章さん(大阪府立高等学校同和教育研究会)にお願いしました。また、指導や助言を森田英嗣先生(大阪教育大学)にお願いしたのですが、森田先生ご自身も、参加者とともにワークショップに加わっていただき、楽しいなかにも充実した時間を過ごすことができました。
―ワークショップの内容―
<アクティビティ1>
アイス・ブレーキング
「わたしの家に始めてテレビが来たとき」
- まず、自分の家に始めてテレビがやってきたときの年齢を書く。
- 各人からその当時の様子とその時感じたことを発表する。
(20人×1分=20分)
- グルーピング(1グループ4〜5名)
<アクティビティ2>
「わたしとテレビの関係年表」
・ワークシートを使って、自分とテレビの関係年表を作成する。
ポイント どんな番組を見ていたか?
どんな影響を受けたか?(プラスとマイナス)
- グループ内でシェア (15分)
- 各グループでの様子を報告 (12分)
<アクティビティ3>
「総合学習におけるメディアリテラシー教育プランを作ってみよう」
ブレーンストーミング
- テレビのプラスとマイナスを書き出す。(2分)
- グループ内でシェア、分類(10分)
- 各グループから出された意見を簡単に報告
- どんな力をつけたいか?(プログラムの目的)を書き出す。(2分)
- グループ内でシェア、分類 (10分)
- 各グループから出された意見を簡単に報告
- 各グループで出された意見や課題も含めて模造紙にメディアリテラシー教育のプランをブレーンストーミング用紙を張り出しながら、図式化する。(15分)
- グループ毎に発表
<まとめと振り返り>
4つのグループから、考案された教材が発表された。そのうちの2つは、メディア・リテラシー教育を進めていく上で教員やファシリテーターに必要とされる資質ならびに配慮事項に注目したものだった。あとの2つには、つぎのような共通点があった。ひとつは、実際に子どもたちが映像作品を製作することを通して学ぶことが有効という点。もうひとつは、メディアの魅力や良さを子どもたちが学ぶことによってメディアのあり方や意義についてよりよく理解できるという点だった。
前者については、たとえば次のようなとりくみが考えられる。(1)ひとつのテーマにもとづいて、複数のグループで映像作品を製作することによって、それぞれの重点や視点の違いを知る。(2)複数のグループがそれぞれのテーマを設定して映像作品を製作する過程を通して、取材やまとめ方のあり方、広告や宣伝のあり方などについて学ぶ。
森田英嗣さんからは、メディアの魅力や良さを知るには、メディアが持っている技術的な特徴、例えばクローズアップや俯瞰といったものを学ぶことに加えて、すぐれた映像作品を視聴することも必要だ、との助言をいただいた。
2参加者の感想文から
○ おぼろげながら教材づくりのイメージがつかめました。多くの方が似たような意見・感じ方をされているのがわかり、おもしろかったです。
○ 今日は自分の見方考え方が班でねられ、全体でねられ、その上でやっぱり教師以外の人も含めてこういうものをやれば実り多いものになったのでは。今後は、教師以外の人の話を聞きたい。
○ メディア教育について、だいぶ整理ができました。実際に教材を作るとなると、例えば、テレビ番組制作などは、難しいと思いますが、できることはかなりあると思います。ただ、テレビに対する感覚は、今日の参加者の中でもかなり差があると感じましたので、生徒の感覚を丁寧につかんでいく必要があると感じました。
森田先生ご自身にも、ワーク・ショップに参加していただき、感想をいただきました。
「とても興味深かったです。メディアについては取り立てて何らかの教育を受けているわけではないであろうにもかかわらず、誰もが何らかの問題意識をもっていることがよくわかった。授業案づくりとこれまでの授業のレビューをセットにして行っていくのはとてもよいアイディアだと思います。」
今後の予定としましては、一度マスコミ関係で実際に番組をつくっている方から話を聞く機会を設けたいと思っております。また、ワーク・ショップでは、CMに焦点をあててみたいと考えています。