調査研究

各種部会・研究会の活動内容や部落問題・人権問題に関する最新の調査データ、研究論文などを紹介します。

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部会・研究会活動 <高校部会>
 
高校部会
高校部会、これまでのあゆみ

  6年前、高校部会はつぎの二つのテーマにとりくんでいました。ひとつは、高校改革を解放教育の立場からどうとらえるか、というテーマ。もう一つは、大きく変化しつつある人権問題に対する高校生の意識をどのように把握するか、そしてそれらを踏まえてどのように人権学習を改革するか、というテーマでした。

 前者については、 1996年に『高校教育改革への挑戦』という冊子をまとめることで、わたしたちの見方を提出することができたと考えています。後者については、かなりの時間が必要になりました。というのは、当時、今日の状況にあうような適切な人権意識調査がなかったからです。

 大阪府立高等学校同和教育研究会は独自に作成したアンケートをつかって数年にわたって調査をつづけ、貴重な資料を蓄積していました。それらから多くの情報を得ることができました。しかし同時に、つぎのような課題があることも事実でした。 

  1. 調査がいくつかの人権問題に関する知識の量に重点を置きすぎていること。
  2. いくつかの設問に、その設問が想定している「正解」が提示されていること。
  3. 回答者ひとりひとりの意識化されていない関心や態度を顕在化させることがむずかしいこと。
  4. 調査形態を調査する側と回答する側といった一方通行型ではなく、双方向型に転換する必要があること。

  また、つぎの点にも配慮する必要がありました。すなわち、多くの高校が人権問題の意識調査を1学期のホームルームで実施している一方、人権学習のために充当しているホームルーム時数が2〜3時間であることから、人権学習が意識調査だけで終わってしまいかねないことです。

 

  以上の議論から、高校部会では、既存の人権意識調査を改良したり一般的な 設問形式の意識調査を作成するのではなく、生徒ひとりひとりの意識や関心を深く読みとることができ、同時に人権問題について新たな気づきを引き出すことができるような、さらには人権問題への積極的なかかわりを促すことが期待できるような教材集を作成しようとの結論になりました。そんな中で生まれたのが、「わたしナビゲーション」でした。