---------------------------------------------------------------------------
今回の識字部会は、今年度の部会活動の方針について議論した。昨年の夏合宿以降、大きなテーマになってきた成人基礎教育のテーマは識字と完全に切り離してしまうことは不可能だが、現状のまま識字部会の中で渾然一体になった状態で議論を続けても中途半端になってしまい、どちらにとってもあまり実りがないのではないかと、識字部会とは別に議論の場をつくることが合意された。
これによって後半は、識字部会の重点課題としてどういうテーマに取り組むかに論点が絞られ、
- 部落の識字参加者の高齢化傾向に対応して「高齢者の識字」
- 人権教育推進事業=一般施策としての識字への移行に対応して「識字講師のボランティア・リーダー養成のための研修モデルプラン」
- 日本語を母語としない人々のための日本語学級急増に対応して「識字のネットワーク化」
が、3大テーマとして設定された。
---------------------------------------------------------------------------
当面は(1)に関して、高齢者の特性や高齢者にとっての学びの意味についての研究から始めて、高齢者の課題に合致した教材づくりへとつなげていってはどうか、(2)に関しては、大阪市内の解放会館でも問題意識はあるとはいえ、まだ実際にプログラム化するまではいかないので、試験的な事例をいくつか集めるところから始めてはどうか、といったおおよその方向性が出された。
これ以外にも、近々報告書が出る予定の「大阪府識字学級・日本語読み書き教室等学習者調査」について、典型的と思われる数学級に絞った、もっと深い調査ができないか。それによって、学習の年数による違い、漢字が読めるか平仮名しか読めないかによるニーズの違い、本当は学習を必要としている人が識字に来ない理由などが明らかにできるのではないか、といった意見も出された。