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識字部会
「識字のための手引き」を活用しよう

 

(財)大阪府同和事業促進協議会
事業部長下野修

 

 このたび、部落解放研究所識字部会において「識字のための手引き」が発行されることとなりました.大阪で識字運動が始まって、すでに30数年が経過しています。この間、識字運動の輪は大きく広がりました。特に1990年の国際識字年以来、同和地区の識字学級のみならず企民館での学級開設があいっいでおり、1995年度の大阪府教委の調べでは、大阪府内に120の学級が開設され、約3600人の人たちが学んでいることが明らかとなっています。もちろん、同和地区の実態(書くことに不自由している人約1万人、学級に参加&している人約1300人)からも推測されるとおり、学級参加者は実際に読み書きを求めている人の1割程度ではないかとも考えられるのです。

 こうした実態を克服するためにはもちろん情報発信も必要ですが、実際の学級が楽しく学びやすい場であることがもっとも求められているのではないかと思います。しかし、これまで大阪の識字学級ではそうした工夫がそれぞれの担当者や講師に任されていたといっても過言ではありません。今回発行される「手引き」が、そうした実態を克服し、一人ひとりの講師・担当者の創意工夫を引き出す手がかりとなり、一つひとつの学級をより楽しいものにするための一助となればと思います。さらに、同和地区の識字学級の取り組みの蓄積が、すべての読み書き教室の取り組みにより幅広く反映できるよう、この冊子が活用されることを期待いたします。