本調査の対象となったのは、先述の教室調査で把握された教室と、その後新たに開設された教室を含む125教室の学習者のうち、1997年7月7日から同月22日までの調査期間内に教室に出席した人である。調査方法については、教室の担当者や講師が、あらかじめ学習者に調査目的・内容等の説明を行ったうえで、学習者自身が質問紙に回答するという形をとった。
このように本調査では、回答者の自記を原則としたが、必要に応じて調査者が設問文を音読するなどして、回答者の理解を助けるといった柔軟な方法がとられている。また、日本語の会話や読み書きができない回答者のために、6ヶ国語(ハングル・中国語・英語・スペイン語・ポルトガル語・タガログ語)に翻訳された質問紙が準備された。最終的には、28市町99教室から1,612の質問紙が回収されたが、有効回答数は1,594であった。なおこの数は、前回の教室調査で把握された学習者総数3,663の43.5%にあたる。
調査の項目については、(1)属性(性別・年齢・居住地・出身国・居住年数・同居人の有無・仕事の有無)、(2)母語の読み書き能力、(3)日本語の会話や読み書き能力、(4)日常の生活行動能力、(5)教室での学習に関わること、(6)日頃の関心や悩み、(7)日本語の読み書きに不自由している知り合いのこと、という7点にポイントが絞られた。