調査研究

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識字部会
6 日本語の読み書きに不自由している知り合いのこと
(1) 知り合いの有無および人数

「教室に来ている人以外で、あなたの知り合いの中に日本語の読み書きに」不自由な人はどれくらいいますか?」という設問に対し、「いる」と答えた人は、全体で44.6%、地区で56.2%、地区外で39.2%となっている。また「いる」と答えた人に対しては、その人数を自由に記入してもらったが、その結果は、全体で3,588人(地区598人、地区外2,990人)となった。

  これは必ずしも正確な数値とはいえないが、把握することの難しい非識字者の数を推測するうえで、おおよその目安にはなるだろう。考えてみるとこの数値は、1996年の教室調査で把握された、府下の教室に参加している学習者数(3,663人)にきわめて近い。

(2) 教室に来ない理由

ここでは「この人たちはどうして教室に来ないと思いますか?」という設問に対し、8つの選択肢を設け、複数回答を可とした(3つまで)。全体の比率が高かった項目順に全体・地区・地区外の比率を列挙すると「時間がないから」49.9%、39.5%、53.6%、「教室が近くにないから」33.0%、8.0%、41.8%、「勉強しても無理だと思っているから」26.9%、51.9%、18.1%、「勉強がきらいだから」17.2%、21.0%、15.9%、「あまり不自由していないから」15.9%、28.4%、11.5%、「お金がかかるから」15.5%、2.5%、20.0%、「教室があることを知らないから」15.1%、16.7%、14.6%、「その他」11.6%、15.4%、10.2%となっている。この設問には、現在教室に参加しているひとが答えているので、この結果に、参加していない人の実際の意識が反映しているとは限らない。

  しかしこれも前問と同様、参加していない人の意識を推測する材料にはなるはずである。地区教室の比率がとくに高かったのは「勉強しても無理」「あまり不自由していない」で、とりわけ「勉強しても無理」は半数を超えている。これに対して地区外教室の比率がとくに高かったのは「時間がない」「教室が近くにない」「お金がかかる」であった。地区教室の場合、参加の阻害要因は個人の学習への意欲であるのに対し、地区外教室の場合は時間や場所、お金といった学習のための条件にかかわる問題であるといえそうだ。