四月一日、大阪の部落史委員会の企画委員会が各時代ごとの歴史研究者、部落解放同盟大阪府連、大阪府同和事業促進協議会、大阪人権博物館、部落解放研究所の参加の中、部落解放センターにて開かれた。
友永健三・部落解放研究所所長の司会で始まり、上田正昭・大阪の部落史委員会委員長より、新出木津村文書を活用した第一回公開講座の開催をはじめとした成果と九九年度発刊予定の史料編<現代1>の検討の重要性が挨拶の中で述べられた。
続いて、具体的な史料収集状況、諸会議の開催、「大阪の部落史」通信、九七年度決算、が報告事項として事務局より報告された。
次に、古代―井上満郎(京都産業大学)、中世―布引敏雄(大阪明浄女子短大)、近世―寺木伸明(桃山学院大学)、近代―北崎豊二(大阪経済大学)の各企画委員より、九八年度の取組みが報告され確認された。
続いて、現代編の企画委員、渡辺俊雄(部落解放研究所)より、史料編<現代1>の概要が報告された。全体の構成としては1『大阪の部落史』第7巻史料編7<現代1>は一九四五〜六〇年、同第8巻史料編8<現代2>は一九六一〜七四年を対象としA5判五〇〇頁、2基本的な章立ては実態、仕事、在日朝鮮人、社会意識、解放運動、同和行政、同和教育、文化、(別編)町村合併(すべて名称は仮)、3基本的には新規史料で約二三〇点、というものである。また、各章ごとの新しい発見、視点や事実の確定、そして各巻にも関連する奥付け等への編著者・編集担当などの記載も説明された。地名、人名の扱い方は、戦後の時代を扱っていることもあり関係者も多いので、史料として掲載予定している具体的な事例に即して一件一件検討することとし、そのための検討委員会を設け、その結果を次回の企画委員会に報告することとした。
以上のことについての議論の中で、地名、人名の扱いをはじめ史料の取扱いについては各巻共通したものと各時代ごとのものを内容として、「凡例」をかなり充実すること、史料集は発刊と同時に散逸が始まるので収集史料の保管、活用を重視すべきこと、等が指摘された。
最後に、九八年度予算が提案・確認され、村越末男(部落解放研究所理事長)の挨拶で企画委員会は閉会した。