調査研究

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2010.01.19
大阪の部落史委員会収集史料
 

河内国渋川郡北蛇草村領内荒馬村朝田家文書
(かわちのくにしぶかわぐんきたはぐさむらりょうないありまむらあさだけもんじょ)


 朝田家は、河内国渋川郡蛇草村のうち荒馬村の有力層で、天保8(1837)年、同村西本願寺下真行寺の普照が書き残した『永代過去帳』によると元和合戦の頃に牛馬医を営み、その後医業に転じた家筋として村政上でも重きをなしていた。同家に残された文書は宝暦期からみられるが、とりわけ天保以降のものが多く、近代も明治・大正・昭和初期に及んでいる。

 近世文書は主として宗旨送状・田地の譲状・小作関係・金銭関係・救米など生活関連の史料から成り立っている。史料は現在、東大阪市教育委員会で保管され、目録も作成されている。『大阪の部落史』第三巻に掲載された12点の史料はいずれも未翻刻のもので、なかでも朝田家が医業を営むところからの関係文書が収録されているのは興味深い。

 なお近世荒馬村については森田康夫『浪華異聞・大塩餘談』(和泉書院 1996年)及び『賤視の歴史的形成』(解放出版社 1998年)に関連事項が述べられている。