調査研究

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2010.01.19
大阪の部落史委員会収集史料
 

摂津国能勢郡下田村福井文友家文書
(せっつのくにのせぐんしもだむらふくいふみともけもんじょ)


 福井家は、摂津国能勢郡下田村の旧家で、近世後期には庄屋を勤めていた(同村は、同時期、二人庄屋制を敷いていた)。下田村は、寛永~正保期の摂津国高帳では、村高127石余。元禄15(1702)年の摂津国郷帳では、能勢郡片山村枝郷「波田村」と記されている。文禄3(1594)年の同郡西郷平野村検地帳に「下田かわた」の記載がみえる(『能勢町史』資料編)から、皮多の人びとは近世初頭から下田の地に居住していたものであろう。同村は、元禄期以降、幕府領。ただし、天保11(1840)年以降は、高槻藩預地。

 福井家に所蔵されてきた文書群は、約400点で、現在は、大阪人権博物館に所蔵されている。元禄期の田畑・山に関する売買証文3通(『大阪の部落史』第一巻所収)、正徳5(1715)年の下田村名寄帳が古いもので、あとはほとんど文政期以降のものである。宗門改帳が、断続的に残されていて、戸数・人数、家族関係、持高などが判明する。『大阪の部落史』第三巻には、村方騒動にかかわる史料を中心に12点を収録した。