調査研究

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教育コミュニティ研究会・学習会報告
2000年11月7日

学級経営研究中間報告

(報告)伊藤精幸(大阪府教育センター学校経営研究室長)
和田 武(大阪府教育センター学校経営研究室)

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 この研究は、「児童」・「教員」・「保護者」の学級に対する意識調査を通して、現在の学級の状況を分析し、問題点を整理するとともに、よりよい学級の在り方を探ることを目的としている。また、これからの教育システムや校種間のスムーズな接続の在り方をはじめ、学校・家庭・地域が連携して、学校を子どもたちにとって夢と希望の広がる場とするための手がかりを探っていきたいと考えている。

上記の目的を達成するため、小学校においてアンケート調査を実施し、その結果を基に分析を行った。実施対象は、府内7地域27市2町の公立小学校(大阪市を除く)41校の第5学年106学級の児童・保護者及び該当校の教員である。

 調査内容は、学級の状況、学級に対する満足度、自己の存在感、児童・教員・保護者のつながり、地域との連携等について比較できる内容を考えた。なお、設問の作成に当たっては、学識経験者にも協力していただいた。

 調査実施時期は、1999年12月で、回収数は次のとおりである。

ア)児童  3231名(回収率97.6%)

イ)教員 848名(回収率85.7%)

   [第5学年学級担任106名]

ウ)保護者 3034名(回収率91.6%)

 今回の報告はこの分析の中間報告である。実施したアンケートにおいて、児童・担任・保護者の意識の比較や項目間の相関関係を調べることにより見えて来る事柄の中から主だったものを取り上げ、考察した。

 例えば、アンケートで「学校生活を楽しんでいる」と答えている児童は86%、保護者は90%、担任は99%というように、三者間の意識に若干のずれがある。詳しい分析はまだ途上であるが、中間報告段階でもその様にいくつか見えてくることがある。

 その中で、「地域の人が学校にきて教えることについて」に対する三者の意識を見ると、児童・保護者は、強く望んでおり、このことは、既に地域の人材を活用した授業や行事などで学校と地域との連携交流がすすめられつつあり、児童・保護者の期待にこたえた結果となっていると考えられる。また、担任も60%以上がよいと考えている。今後、学校は地域の「専門的な力」を一層活用していくことが求められている。開かれた学校をして、学校・保護者・地域が連携して子どもたちをはぐくんでいくことが大切である。

 なお詳細は中間報告冊子「学級は今・・・」(大阪府教育センター学級経営研究室 2000年3月)を参照されたい。(N.T)