各種部会・研究会の活動内容や部落問題・人権問題に関する最新の調査データ、研究論文などを紹介します。

調査研究

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部会・研究会活動 <地域教育システムの構築に関する調査研究事業>
 
教育コミュニティ研究会・学習会報告
2001年2月2日

草津市・地域協働合校の取り組み

(報告)木村清(草津市教育委員会 生涯学習課課長)

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 全国的には小子高齢化が進み、人口も減少傾向にあるところが多いが、草津市は交通の要衝として今後も人口の増加が予想され、特に大学立地に伴う学生の流入等若い市民層が増えてきている。若い力による新しいまちづくりの展開は期待されるものの、一方で地域における人間関係が希薄になったために地域社会の機能が低下しつつあるという問題も起きている。

 そんな中で市として「地域協働合校推進事業」を立ち上げ、本年度は三年目となる。本事業では「子どもと大人の協働」を中核として、「子どもの健やかな成長」さらには「地域学習社会の形成」をめざしている。

 基本方針は次の四点である。一点目は「子どもと大人の関わりあい」。子どもの主体性を大切にしながらも異年齢の子どもや世代の離れた大人と子どもの関わり合いを持つ。二点目は「共に学び合うよろこび」。自分の学びを人に教える機会を持つことで、共に学び合う歓びのある生涯学習を推進しようということである。三点目は「ボランティアのネットワーク化」。環境・福祉など様々な分野における市民ボランティア活動を支援するシステム作りの推進。四点目は「生きがいのあるまちづくり」。一人ひとりが尊重され、地域で共に生きる歓びのある町作りの推進である。

 「協働」と「合校」という漢字をあてたところに私たちの思いがある。同じ目的のために協力して働くこと。がっこうは合う校。学び合う地域社会という意味。学びの場は学校だけではなく、地域の公園も商店街も学びの場である。今日までの学校が中心になった事業展開をもう一度地域に戻し、地域からの発信の中で学びながら協力体制をつくっていく。力を合わせて学びの場をつくるということだ。

 1998年度は地域に開く学校作りをめざし、地域人材の活用や地域教材の取り入れなどにより、学校における授業そのものを改善してきた。また1999年度は社会教育からも発信し、12小学校区全てに地域協働合校推進組織ができた。学社連携・融合のさまざまな事業をとおして、子どもは生活体験が豊かになり、大人も共に学ぶ姿勢に変わって来つつある。今まで学校にいかなかった人がどんどん学校にでかけていく。地域の人といっしょにプログラムやカリキュラムをつくっていく。

 例えば太極拳のサークルがあるが、もともと公民館でされていたのを学校を借りて行うようになった。社会教育と体育の授業を一体化をはかっていくという発想である。学校にでかけていって、老人クラブの人が同和教育に参画をする。これも一つの地域協働合校である。

 学校と一緒に活動を展開することで、社会教育の目的と学校教育の目的が同時に達成できることをめざしている。学校の活動が地域に向けてでていき、地域との関わりで喜びを見出す。同時に地域の側も開放しなければ。今までの社会教育活動の形だけでなく、学校と一緒になってまちづくりをしていく。

 今後はスタート当時から盛んに行われている高齢者と子どもの関わり合いを更に充実させるとともに、大学や企業とも交流し、事業のさらなる発展的展開を目指している。一方総合行政として、地域協働合校の主旨に合う「子どもと大人の事業」の取り組みも進めて行く予定である。(N.T)