調査研究

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教育コミュニティ研究会・学習会報告
2001年3月23日

貝塚北小学校区ふれあいルームの取り組み

(報告)油谷雅次(貝塚北校下ふれあいルーム連絡会議事務局)

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  貝塚北小学校区の「ふれあいルーム」は貝塚北小学校の中にあり、北小学校の協力のもとに地域に開放されている。元々公民館活動をやっていた子育てネットの会などと、地元組織としての北婦人会、そして北小学校のPTAといった地域を地場とするグループが協力して運営している。そして、その運営委員会は北校下福祉委員会に所属する団体と地域で活動されているサークルの方々による委員で構成され、「自主運営、自主管理、自主創造」を基本として、運営している。

 全国的にも珍しい「小学校施設の自主運営による地域開放」として、多くの人々の「たまり場」として、人と人の「心地よい居場所」として、そしてみんなの「心のふれ合いの場」として、大いに利用し、かいづか寺内町をより発展させる基地にしたいと考えている。

 発端は1998年に初めて取り組んだ「北校区・ふれあいまつり」であった。たくさんのふれあいが生まれ、みんなが楽しく、心うきうきして大切な「もの」が受け継がれ、育まれる事を確信できたまつりになった。その終了後「このようなふれあいの場が普段の生活の中にあればいいのに」という参加者の声と学校側の余裕教室の提供が直接のきっかけになって、「ふれあいルーム」の開設へとつながった。

 読み聞かせグループの「マザーグース」や「三夜音頭継承会」「手芸クラブ」「安心して老いるための会」等々、最初はそれぞれのサークルの活動をしていたが、子どもたちとのふれ合いで沢山の事象が起こり始めている。授業へ「ふれあいルーム」の人が登場することはいうに及ばず、参観日には「ふれあいルーム」が小さい子どもの保育をし、玄関には図書のコーナーができ、子どもたちと「ふれあいルーム」の関わりの中から新しい文化やこの町の流行までが生み出されるようになってきている。

 「ふれあいルーム」は出来た場所もよかった。給食室に行くときに毎日子どもたちが通る場所だ。「何してんの。」と子どもたちが何気なく声かけをする。子どもたちとふれあえるベストの場所だった。

 地域と学校の関わりは片方だけの利益になるのではなく、双方の利益にならなければならないと思う。そして学校は、子どもたちがいる。貝塚北小の校区は寺内町で、寺の境内が広いから学校ができた。古い町のへそにある学校、みんなが歩いても2〜3分の便利なところにある。

 今まで1億2000万人の人口のうち、1%を占める学校教職員に教育を全て任せてきてしまった。しかし、1%の120万人ではなく、残りの99%の人がたった1%の力を持ち出すだけで120万人の先生と同じ事ができるではないか。そして学校は週5日制になると365日中165日が閉まってしまう。運動場や音楽教室、図工室、家庭科室など、学校の豊かな施設を活かすも殺すも周り次第だ。

 貝塚には、今、他の小学校区にも「ふれあいルーム」を作ろうという動きが生まれてきている。これからも自分自身が楽しみながら、あわてないで、ゆっくりと取り組んでいきたい。(N.T)

参照/近刊の『部落解放研究』 140号(6月刊)に詳細な内容が掲載