調査研究

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部会・研究会活動 <地域教育システムの構築に関する調査研究事業>
 
深まる学校と地域・家庭の関わり

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 貝塚市立第二中学校区はだんじり祭りでも有名な泉州地域(大阪府南部)に位置する中学校区で、学校と地域との協働を先進的にすすめている校区の一つである。校区には市立第二中学校ほか、東小学校、津田小学校、中央小学校の3つの小学校がある。もともとこの校区は同和教育の協同推進校区として密に連携してきた経緯があるが、ここ数年中学校区として取り組んできた「ふれあい教育推進事業」(1995〜1999年)、「夢をはぐくむ学校づくり」(府からの指定,1999年〜2000年)などを契機として、より一層、学校と家庭・地域との関わりを深めつつある。

 学習場面では地域をフィールドにした人権総合学習を小中ともに展開している。府下でもかなり早い段階から仕事体験学習に取り組んできた第二中学校では、ジェンダーやバリアフリーの学習、進路学習などにおいてもさかんに地域へのフィールドワーク、体験学習を積極的に展開している。また東小学校が6年生で取り組んでいる「チャレンジウィーク」(地域が受け入れ先となっておこなわれる生活体験学習)ほか、校区の各小学校では学年ごとに設定されたテーマのもとバラエティーに富んだ総合学習の実践が進められつつある。

 また保護者・地域からの学校へのサポートも大きくなりつつあり、各小学校で取り組まれている土曜日の「子ども広場事業」(五日制推進事業)も保護者や地域ボランティアの主体的な協力によって運営されている。また年一回中学校で開催される「二中校区ふれあいイベント」は、こうした保護者や地域ボランティアたちが集まり様々な遊びやゲームのコーナーを開く大きな催しで、第二中学校の生徒たちも色々な出し物をだし、共にイベントを盛り上げている。また二中校区の取り組みの特徴として、小学校区単位の自治組織である福祉委員会や青少年会館、中央公民館などのような社会教育施設の学校活動へのサポートの大きさも見逃すことはできない。

 中学校区全体の教育活動の調整機関としては「教育コミュニティ会議」が1999年に立ち上げられたが、保護者や地域ボランティア、校区の教職員たちのさかんな情報交換の場となっており、校区の情報誌「夢キャッチ」の発行等も行いながら、校区全体の活動の活性化を促している。また課題を抱える子ども、家庭を支援するための取り組みとして「ケアケース会議」を開いたり、教育相談事業として「ほっとルーム」を開設しており、校区として子育て支援の事業も進めている。