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三島小学校には、「サポータークラブ」という組織がある。サポータークラブはPTAと違い、高齢者や単身者あるいは子どものいない人であっても、子どもや学校の為に自分の時間やエネルギーを提供したいと思っている人なら、誰でも入れる。学校の人材バンクと違うところは、「一芸に秀でた人」だけでなく、誰でも参加できるオープンな雰囲気を持っていることだろう。
たとえば、三島小学校で行われた「地域交流事業」では、プールにニジマスを放流して、子どもたちにつかみ取りしてもらうということを行った。このとき、とった魚をさばいたり、それを焼いて食べる為に、「さかなさばき隊」「火おこし隊」と銘打って、参加者をつのった。また、あまりにも雑草が目立つ校門付近を見られた保護者が「私は園芸が好きだから、ちょっと草抜きを手伝いましょう。」と始まった活動が徐々に人数も増えて、今や“花咲かせ隊”として発展し、校門付近は花いっぱいになっている。徐々に人数が増えてきたので、「花咲かせ隊」という名前で活動を始めた。
このような「間口の広さ」により、サポータークラブに登録する人は飛躍的に増加し、一方で個々の活動に参加する人々は、そこで彼らなりに「たのしみ」を見出し、活動を継続している。ある保護者は、次のように語っている。「本当に学校に来るのが楽しい。子どもを抜きにしても、先生や他の保護者の方なんかと話ができる。職員室なんていうのは、以前なら子どもが悪いことをしないとは入れないところだったけど、今なら何もなくても立ち寄れる。」
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なお、三島小学校区の取り組みは、池田寛編著『教育コミュニティハンドブック―地域と学校の「つながり」と「協働」を求めて―』(2001年、解放出版社)、『部落解放研究14号』(2001年6月)でも紹介されているます。