当研究所では、企業における人権尊重の取り組みを、企業の社会的責任(CSR)の重要な柱の1つと捉え、調査研究を進めてきたところである。とりわけ、2005年以降、CSRの取り組みを社会に周知するツールとしてCSR報告書を発行する企業が増加しており、この報告書において人権問題に関する記載がどのように行われているかという観点から、CSR報告書の収集・分析を進めてきたところである。
本年度は、これまでの調査の結果、比較的人権問題に関する記載が進んでいると評価し得る企業をピックアップして、その先進的な内容や記載のあり方を「グッド・プラクティス」として抽出し、他の企業の参考に資するよう、事例収集を行う。
なお、これまでは、報告書収集の都合上、前年度公表された報告書を対象としてきたが、実際の企業のニーズからすれば、直近のものであるほうが望ましいということから、可能な限り2008年度版を対象とすることとし、期限内に収集できなかった企業についてのみ2007年度版を用いることとする。