全国の同和教育において、大阪の各地区で結成された「教育守る会」とその活動は極めてユニークな位置を占めていた。同和対策事業の受給者組合的組織性格や小規模部落では組織しにくいことなどの課題も有していたが、その果たした役割と意義は大きいものがあった。そして特別措置法期限切れ前後、特別対策から一般対策へ移行していく過程等の中で、「教育守る会」は大きな変化を受け、今日に至っている。
しかし、社会全体で学力格差や所得格差が強く懸念されている今日、脆弱な基盤を有する部落の学力問題(ひいては就労問題)やアイデンティティ問題等は、まさに「古くて新しい問題」として深刻化している。他方で部落内の多様性も加味することが求められている。そして、こうした課題に対応しようと、各地の保護者組織はさまざまな模索を進めている。
そこで、大阪府内の特徴ある地区の保護者組織の「現状と課題」を、<1>活動状況(この間の経緯も含めて)、<2>学校との関係、<3>地域教育協議会との関係、等についてまとめ、今後の方向を考える糧を検討していきたい。