1958年に「大阪市同和教育研究協議会」として発足して以来50年になろうとしている。同和施策の特別措置法の期限が切れ、大阪市からの補助金も終了した。「差別の現実から学ぶ」の同和教育の原点から、今日的な人権課題をテーマに「人権教育のキーステーションをめざして」を組織の再編と研究活動の内容の充実を進めているところである。今年度から大阪市内の幼小中学校園に研究活動の協力金を募り、自主的研究団体として本格的活動を始めているところである。
1972年に人権教育読本「にんげん」が大阪府の小中学校に配布され、その具体的活用を広めていくために大阪市内の行政区単位で「にんげん」実践交流会が始まり、現在では24全区で開催されるようになっている。各学校園が教職員研修に位置づけるようになって、参加者の数は年々増加し、その成果を上げてきた。その集大成として毎年6月に開催している人権・同和教育研究大会も2007年度で33回を迎え、人権教育を推進してきた「旧同推校」だけではなく全市校園での人権教育の実践が報告されている。
大阪市内でも教職員の世代交代が著しい。子どもの生きる力を育む教育を受け継いでいくために、新しい世代を対象にした研究、研修の具体的な取り組みを進めていくことが今後の最も大きなテーマであると考えている。