合併に関する経緯
合併に関しては、平成2(1990)年9月香川県の東かがわ青年会議所がフォーラムを開催しました。テーマは「8町はひとつ・10万都市構想・東かがわ市構想」でした。「8町はひとつ」というのは1つの郡で、10万都市構想が持ち上がりました。それから、いろいろ検討されました。
平成5(1993)年度には、大川郡の西部5町(今、さぬき市になっている)と東部4町(津田町は両方に加入)において合併検討会や研究会が設置されました。
その後、いろいろ合併について動きがありました。具体的に合併について動きがありましたのは平成10(1998)年12月21日に「合併協議会設置請求書」が住民発議のかたちで各町長の方に提出されました。
平成11(1999)年3月19日までに、合併協議会設置協議について議会にかけるという決定がありました。
平成11(1999)5月17日に、志度町と長尾町議会で合併協議会についての議案が否決されました。この議案の否決については、合併の枠組みを否決したのであって、合併そのものを否決したものではなかったということです。ですから、すぐその年の9月29日には「合併研究会準備会」が開催されています。
平成11(1999)10月12日「第1回合併研究会」が開催されました。その中で、具体的な研究会の設置要綱であるとか、来年度に向かって法定合併協議会を設立するんだという申し合わせがされています。
平成11(1999)11月19日「第2回幹事会」が開催されました。この中では、合併の基本項目の話し合いがなされました。基本項目とは大切な5項目ほどです。それは、合併をどのようにするのか、財産の問題、新しい市の名称、新しい庁舎の位置、合併をいつにするのかという、具体的な話し合いがなされました。
平成11(1999)年12月3日「第2回合併研究会」が開催されました。ここでは、メンバーを変え、「第2回幹事会」と同じような協議がされています。
平成12(2000)年3月7日から24日にかけ、各町議会において合併協議会設立案が可決されました。
平成12(2000)年4月1日、津田町・大川町・志度町・寒川町・長尾町の法定合併協議会が発足されました。並びに合併協議会の事務局が発足し、事務局長を決め、香川県から派遣職員にきていただきました。事務局の職員についても、各5町から、それぞれ2名ずつの職員が配置されました。
平成12(2000)年4月3日、第1回合併協議会が開催されました。研究会で十分議論をされていましたので、合併の方式については5町対等による合併とすること、財産や債務はすべて持ち寄り新市に引き継ぐ、新しい市の庁舎については当面の間志度町の新庁舎を使うこととし、目標の合併の時期とか、市の新しい名称とかは、後ほど決まるということになりました。
平成12(2000)年5月1日、住民アンケートを関係5町で全世帯を対象に実施しました。これは、合併の是非を問うものではなく、合併したときに、どういった市にするのかという方向性を問うたものであります。
平成12(2000)年6月26日、「第3回合併協議会」が開催されています。この中で、5項目の中の合併の期日は、平成14(2002)年4月1日にすることが確認されています。
平成12(2000)年7月24日、「第4回合併協議会」が開催されています。5項目の中で最後に残っていた「市の名称」については、「さぬき市」で全会一致で確認されました。それと当時に、議会議員の定数については、合併しても1年2カ月は在任特例を適用し、議員の任期が延びることも確認されました。
この時期から、管理職による各部会、担当者による各分科会といった事務調整が毎日のように開催されました。
平成13(2001)年2月17日から25日にかけて、住民の理解を求めるということで「第1回合併協議状況住民説明会」が関係5町内で15回、開催されました。内容については、合併の協議状況、新市の建設計画、今後どのようになるかということを順次説明し、質疑応答をしております。
平成13(2001)年7月7日から22日にかけて「第2回合併協議状況住民説明会」を開催しております。これについても、住民の理解と協力をいただくということで、関係5町内で21回、開催しています。内容は、第1回と同じように協議状況の内容、新市計画について説明し住民の理解を求めていきました。
いよいよ決定的になりましたのは、平成13(2001)年8月20日「合併協定調印式」を挙行しています。これについては協議会の委員、また県知事をはじめとし関係5町の各種団体の長の出席をいただき、確認をしています。
平成13(2001)年8月23日、各町で臨時議会を開いていただき、町の廃置分合等の議案を可決しています。議決状況については、賛成多数ということでした。各町、1名ずつ反対の票も出ております。
平成13(2001)年11月1日、合併4カ月前ですけれども、「第1次職員内定者発表」をしています。部長、次長級を発表し、合併したらすぐに事務が支障なし対応できるようにということで、人事の発表をしています。
平成13(2001)年12月3日、「第2次職員内定者発表」がされています。課長級50名あまりの発表でした。
平成14(2002)年2月1日、「第3次職員内定者発表」がされています。
平成14(2002)年4月1日、「さぬき市」が誕生しております。そして市長選挙が5月12日に実施され、旧町長が3名と農業団体の役員が1名、計4人の方が立候補されました。結果は、旧志度町長の赤澤申也氏が市長に当選しました。
「人権条例」の取り扱いについて
5町における「人権条例」については、事務調整の段階で担当課長の間で協議しました。「人権条例」の内容が、各町とも、ほぼ同じであり、「人権擁護審議会」を条例で定めている「人権条例」(案)を採用しました。「さぬき市差別をなくし、人権を擁護する条例」は、市長の専決処分により臨時議会に報告、承認され、平成14(2002)年4月1日施行されました。あわせて審議会の運営事項を定める、さぬき市「人権擁護審議会規則」を同日付けで制定しています。
関連して、「さぬき市同和対策生活相談員設置条例」であるとか、「さぬき市隣保館条例」「さぬき市隣保館条例施行規則」も、あわせて制定をしました。
行政担当部の取り扱いについて
行政担当部は、合併協議会で決定され、市長部局に市民部「人権推進課」を、教育委員会に「人権教育課」を設置しましての推進体制となりました。しかしながら、人権・同和行政は総合行政であり1つの課、1つの部局での対応が困難な場合が多くあることから、総合調整機能を補完する意味から、平成14(2002)年8月1日付けで、助役を本部長とする「さぬき市同和対策本部設置要綱」を制定しての推進体制としました。
基本計画などの取り組みについて
あらゆる差別をなくする総合計画は、合併にともなう事務調整の中で「さぬき市差別をなくし、人権を擁護する総合計画」の策定が必要であると意見統一がされました。
なるべく早く設置しなければいけないんですけれども、合併にともなう内部調整に4月から7月ぐらいの間は時間がかかりました。支部交渉、網の目交渉という団体との交渉や、関係機関との事務調整のなかで、いろんな方向性が決まってまいりました。
方向性が決まった中で、平成14(2002)年9月9日「さぬき市人権擁護施策に係る総合計画策定委員会設置要綱」を制定し準備に入り、10月9日には「さぬき市総合計画策定委員会」を開催し、各委員(各課長)に策定内容を説明し協力を求め、今、策定中であります。
また「人権教育のための国連10年行動計画」は、平成6(1994)年12月の国連総会において平成7(1995)年から平成16(2004)年までの10年間を「人権教育のための国連10年」とすることが決議されていることから、残された期間は約2年であり、現状とは少しずれがあり、平成12(2000)年12月6日に施行された「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」により国が基本計画を発表しています。さぬき市としても、地域の実態にあった基本計画、実施計画を策定する予定で、今、進めているところであります。具体的には、まだ進んでおりませんけれども、こういうかたちで進めたいということです。
なお、香川県については平成14(2002)年度に着手、平成15(2003)年度に策定するという方向を聞いています。これについても、先進事例があれば、勉強したいと思っております。
同和・人権施策の取り扱いについて
<1>人権教育推進市町事業について
これは、教育委員会が実施している同和教育の推進事業です。これについては事務調整の中で「引き続き実施し、事業内容の充実を図る」ということになっています。
<2>同和教育推進協議会について
これは学校関係を中心とした推進協議会です。これについても、各町で組織がありましたので合併すれば「新たに発足する」ことになっていますが、今まだできていません。教育委員会の方で進めていただいております。
<3>啓発事業について
「引き続き実施する」ということです。啓発事業もたくさんあります。まず1つは、職員研修です。職員は、どこの部局にいても4、5回にわけて職員研修を実施していくということで、きのうと一昨日、2日間にわけて実施しました。その残った職員に対しても、年明けにはやっていきたいと思っています。
2つめは「人権コンサート」です。学校の生徒・住民を対象に、3、4回は実施したいと予算取りも、おこなっています。3つめに、さぬき市には自主研グループがあります。旧同和教育主事を中心にしたグループで、その中に行政、支部の方も入って構成人員は50人から60人です。毎月1回、7時から9時までテーマを決めて研究している会であります。
4つめに「現地学習会」です。保育所、幼稚園、学校、支部、新規採用の職員、転入された職員を対象に、隣保館に集まってもらい同和教育の勉強会を継続してやっています。
5つめに市独自で「同和教育研究大会」をやっています。6つめに辛立文化センターという隣保館で地域の方との交流が大切ではないかということで「夏のつどい」「冬のつどい」をやっています。内容は「夏のつどい」では講演会や子どもが楽しめるようなバザーを中心にして、夏祭りをあわせて開催しています。「冬のつどい」では、テーマを「人権と私」とし各種の人権にかかわっている草分け的な方にお願いしパネル・ディスカッションを中心とし、周辺地域の子どもや大人に集まってもらい実施しています。
<4>同和対策関係計画等について
「新たに策定する」ということで、総合計画については新たに策定中です。基本計画については、総合計画が終われば基本計画に移っていきたいということです。これも、できれば、先進地があれば勉強させていただきたいと思っております。
<5>関係会議等について
「さぬき市隣保館運営審議会」については、隣保館の活動を協議し運営していくということで、平成14(2002)年6月4日に発足しています。会議を何回か重ねています。
「さぬき市人権擁護審議会」は、総合計画や基本計画、市の人権施策の重要な施策を審議調査していただくために設けているものです。これについても策定中ですので、諮問をして答申をしていただくことにしています。
「部落解放基本法制定要求国民運動さぬき市実行委員会」は、香川県は「国民運動」というのが付いているのですが、他県は「行政確立」というかたちになっていると、私は聞いています。これについては、「国民運動」というかたちで、平成14(2002)年度10月28日に発足いたしました。
<6>農林水産資金貸付について
これは単県事業です。単県事業につきましては、県の方向が平成13(2001)年度末で廃止ということで、こういったかたちになりました。
<7>営農相談員設置事業について
これも、単県事業です。平成13(2001)年度末廃止事業となりました。
<8>農業近代化施設設備事業について
これも、平成13(2001)年度末廃止事業となっています。
<9>地域隣保活動事業(旧生活相談員設置事業)について
内容は「終期設定事業」ということで原則廃止で、隣保館がない地域については生活相談員を平成17(2005)年度まで継続ということになっています。
<10>専修学校等奨学資金助成事業について
継過措置的事業ということで、平成17(2005)年度まで継続、平成18(2006)年度以降見直しとなっています。
<11>委託職業訓練事業について
これについても、<10>と同様です。
<12>地域改善対策高等学校等奨学金
これについても、<10>と同様です。
<13>小規模事業融資について
これについても、<10>と同様です。
<14>住宅新築資金等貸付について
平成13(2001)年度末廃止事業ですが、現在償還しされている方がいますので、貸付を受けている者については、なお従前の例によるとなっております。
<15>隣保館の運営について
引き続き継続する。人権文化の発信基地として人権教育及び人権啓発活動をしています。私は、旧志度町出身ですので内容を比較できませんが、活発な活動ができていると思います。
<16>団体にかかる事務について
支部の助成金があります。支部は2つありまして、団体補助は基準がありますので、それに沿った執行をおこなうようになっております。
<17>中央行動・全国レベル研修について
これも、要請に応じて対応していくということです。
<18>職員研修について
さぬき市のすべての職員を対象に研修をしていくということで部落解放福岡市協議会千代第一支部の支部長をなさっています野田英二先生をお迎えし、差別の実態について、みんなで勉強しました。1つの課1つの部局だけでは推進も、なかなかむずかしいので、市全体で取り組むことを特に強調していただきまして、少しは幹部の職員についても、そういった意識付けができたのではないかと思っております。
職員研修の充実を図り、実施する。先ほど、申しあげた通りでございます。
<19>自治会啓発活動について
人権推進課、人権教育課が連携を図りながら実施していく。現在、自治会の数が382あります。現時点では困難であり、今年度は、ちょっとしんどいかなと思っております。できる範囲はやっていくという方向です。
以上、簡単ですが、報告を終わります。