1 問29-3
問29-3では、この間大阪府内・市内等で表面化している部落解放運動や同和対策などに関わる不祥事、及びそれに関わる数多くの報道についての考えを自由に記入してもらったところ、回答者総数516人のうち、303人(58.7%)から意見・要望が寄せられた。今後の人権教育・人権啓発のありように活かしていくことが課題である。
2 問30
同和問題をはじめとする人権問題や今後の人権教育・啓発について、国や大阪府、市町村に対して意見・要望〔問30〕を自由に記入してもらったところ、回答者総数516人のうち、(1)大阪府に向けて118人(22.9%)、(2)国、市町村に向けて139人(26.9%)、(3)(社)部落解放・人権研究所に向けて167人(32.4%)から意見・要望が寄せられた。記述内容の抜粋は以下のとおりで、(1)(2)(3)ごとにどのような意見かを類型化し、それぞれの件数と主な意見を記載している。
問30 同和問題をはじめとする人権問題や、今後の人権教育・啓発についてお聞きします。
大阪府や国、市町村、(社)部落解放・人権研究所に対して、なにかご意見・ご要望があれば、下記の欄にご自由にお書きください。
(1)大阪府への意見・要望
◆ 人権教育・人権啓発のさらなる展開について(29件)
- 府民に対して人権に関する啓発の催しを多くし、だれでも気軽に、参加しやすい講座を開催する。
- 大手企業だけにとどまらず、中小企業の会社にも人権教育を展開していく必要を感じている。
- いろんな階層(職場、地域等)の人々にも参加型研修を行ってほしい。
- 大阪府は色々な人権啓発に取り組んでいるが、関係者だけがその活動について知っているのが現状で、もっと広く府民に認識できるアピール、広報など頻繁に行うことが重要であると思う。
- これら一連の事件によって、人権教育、啓発活動が停滞、衰退することなく、これまで以上に取り組んでいかれることを望みます。
- 方針として大きなものは必要であるが、施策はきめ細かいものでなければならないと思います。教育・啓発というものは、地道な世界で、何十年も先に成果を期待して行うべき。よくアンケートの比較を見かけるが、あれは結果であり、啓発業務ではない。
◆ 不祥事について(22件)
- 同和行政に対する批判が渦巻いている今こそ、ピンチをチャンスに変えるべく、府が積極的な開示を行い、行政に変化が出てくれば、最大の人権啓発になるだろう。府の英断を祈念する。
- 2006年に発覚した様々な報道を教訓に、今後の施策は是非“説明責任”を常に念頭において行っていただきたいと思います。
- このような団体等の不祥事の中、被差別部落問題が後退することのないよう、更なる啓発をする必要がある。しかし、府や行政は理不尽な団体の要求に対し、毅然とした態度を取るべきで、これまでの関係を改める必要がある。
- 馴れ合うことなく公正・公平に進めてほしい。本当に必要な人たちに支援の手が届くようにしてほしい。
- 人権問題に限らず、自らの組織内のコンプライアンスについて真摯に見つめ直し、積極的に取り組んでいかれる様、望みます。
◆ 人権施策の充実について(21件)
- 人権の取り組みの最前線でがんばっている大阪府の立場を見直し、さらに人権推進の対策をつらぬいてほしい。
- 財政難であるが、人権関係予算を削減しないで、人権施策を充実してほしい。
- 府民意識調査などこれまでの積み上げを大切にしてほしい。
- 行政全般に対して、人権問題の対応をその場しのぎでない対応にするため、中長期にわたる確たる責任部署の設立が望まれる。
- 都市部落の再スラム化について、どのように府として対応しようと考えられているのか見えてこない。まちづくりという観点からのアプローチ計画などあれば、聞いてみたいと思う。
- 府の労働行政からも、企業内での問題をなくすよう働きかけるべき。府労働局がもっと動いてほしい。
- 過去のハンセン病により療法所生活を余儀なくされた入所者の方々が(短期でよいから)大阪に帰り、ステイできるような企画をしてほしい。(多くの入所者の方々は高齢であるゆえ、家庭と縁を切っておられる方が多い。高齢→時間がない!早急に!)
- 差別が現実に存在することを認識し、行政としてなすべきことをきちんと行うことが求められているのではないか。
◆ 同和対策・同和行政について(11件)
- 差別が根強く残っている以上、同和対策事業は必要なことである。その内容をよく吟味し実施してもらいたい。
- 同和対策を縮小するのは良いが、一律的ではなく、個々の事業と慎重に相対してほしい。バラマキは論外だが、同和対策事業が果たしてきた役割は大きい。今後、わけのわからない財政再建をするくらいなら、いくらかは残すべき。
- 市民、企業に理解の得られる同和行政のお手本となる施策の推進。
- ポジティブアクションはその都度の政策決定で必要なものは必要、但し、利権化し、政策決定が及ばなくなると腐敗が始まるので、施策決定とその執行者の責任は重要。
- やはり今日の問題と、従来からの同和政策はわけて考えることが必要。
◆ 精査した上での有効な人権施策の推進について(10件)
- 必要な施策、現時点ではそうでない施策等、コストパフォーマンスとプライオリティーをしっかり検討したうえで、ハード・ソフト両面において有効な人権施策を取って欲しい。
- 行事をこなす、予算内で消化する等々、施策の硬直化、マンネリ化があるのではないか。これらは決して真の差別解決につながるとは思えない。削るべきは削る。必要な施策は打つ。正々堂々と運動団体にも主張していく。そういうメリハリを利かした、本当に苦しんでいる層に光を当てた取組みを今こそ始めるべきチャンスではないかと思う。
- 一般施策の中での人権政策、人権啓発など、取り組む内容についての精査と統合など、しっかりとした理由のもとに取り組むことを願います。
- 行き過ぎた対応は改めながら、人権問題の大切さは府政の大きな柱として、引き続き積極的に取り組んでほしい。
◆ 学校における人権教育・同和教育について(7件)
- 府立高校でも同和教育をもっと取り入れるべき。
- 人権教育の充実。いじめ、自殺等とも絡めて一人一人の大切さを学ぶ機会を増やして欲しい。
- 学校における人権教育では、部落問題をかわいそうなこととして、必要以上に同情をあおるのではなく、前向きな議論を誘発するような教育を望む。
- 小学校の時「にんげん」を道徳の時間に読んだ覚えがある。人権について早い段階から気づかせるのに必要だと思う。
◆ 行政職員の研修の必要性について(7件)
- 職員の管理監督並びに研修指導をしっかりやってもらいたい。是々・非々を明確にし、主張できるように教育してもらいたい。
- 職員への人権研修は行われているが、市民啓発か広報紙をみるぐらい。地域でイベントやタウンミーティングなど交流を積極的に出来る場をもっと創出すべき。
◆ 人権に関する条約、法律、条例について(5件)
- 国に先駆け、差別禁止・人権救済の見本となる条例の制定を希望する。
- 人権救済法に向けた取り組み。
- 条例で禁じられている身元調査について違反事例に厳しく対処し、違反実績や措置について公開すべきである。
- 人権に関する資格制度をつくってほしい。
◆ 他の自治体等との連携について(3件)
- 周辺の県や府と連携して、公開の場で解決に向け、進めて欲しい。
- 人権関係の部署を充実し、市と連携を図りながら、もっと積極的に企業をリードする必要があると思う。
◆ その他(3件)
- 以前と比較すると、近所との関わりが非常に少なくなった。朝、家の前を通学する子どもとの、挨拶がめっきり少なくなった。近所の叔母さんとの会話も、週に一度程度。地域でも「ゆとり教育」が必要であるし、「ゆとり」が必要である。施設まで行かなくても、身近な公園でできる、「ゆとりレーション」など。
(2)国、市町村への意見・要望
◆ 人権施策の充実について(34件)
- 国の人権施策といって、すぐに思うものがないのは悲しい社会です。国会議員がこれだけマスコミに登場する中で、人権を語る人はいません。市町村に何ができるのか?議員の人権意識の徹底?
- 地方分権一括推進法により、公正採用選考人権啓発推進員制度の運用は、地方行政に委ねられたが、企業に影響力のある労基署、職安レベルでの指導助言を強化して欲しいと感じる。
- 国としての対応は、各地方公共団体に任せっぱなしであるが、これで良いのだろうか。
- 馴れ合わないで公正・公平に、立場の弱い人たちの自立支援にお金と情熱をかけて欲しい。
- 社会に差別を無くす為の運動ができるように、予算をしっかりつけてもらいたい。
- 身体障害者の方に関しては、雇用率が法定化され。罰則(金)の設定もされていますが、就職困難者に対しては支援が必要。制度として、求職者に対しての措置強化を検討しては?
- 障害者の身分保障をしてほしい。労働条件がよくなるように。生活ができるように。車椅子でも、字が読めなくても、行きたいところにいける社会作りをしてほしい。(法律化してでも、何とかしてほしい。)段差とか、振り仮名とか、車椅子(身体障害者用)のPに駐車したら罰金とかもしてほしい。
- 人権問題について、部落差別で苦しむものがあれば当然救済し、差別解消に力を注ぐ必要がある。しかし、「同和問題をはじめとする人権問題」とある様に、同和問題のみではない。本当に苦しんでいる、本当に救済や支援を必要としながらも、埋もれている人々が、日本社会には、多くいるはずである。幅広く、人権問題に取組む必要がある。ある問題において、当事者であっても、他の問題に対しては、無関心、差別者になる様なことがあってはならない。
◆ 人権に関する条約、法律、条例、制度について(30件)
- 早期に人権侵害救済法の制定を!同和問題をはじめ、あらゆる差別の現状を認め、差別を受けている人を中心に考え、向き合い、差別に苦しむ人を無くす取り組みを願う。
- 人権擁護委員会などの国の組織を整備するべき。
- まだ批准していない人権関係の条約の早期批准。
- インターネットでの悪質な書きこみ(差別表現)、記事・写真の掲載(最近の児童の遺体等)の行為に対しての法的措置を。
- 人権に関する資格制度をつくってほしい。
◆ 不祥事について(21件)
- 国・市町村とも、今回のような行為が他にないか調査の上対処し、市民にメッセージを送るべきである。正した上で市民に人権教育の必要性を促し、永続的に取り組むことだと思う。
- 差別解消は重要なことですが、今回の不祥事の様なことが再発しない様に、さらに努力いただきたい。エセ同和行為を見過ごすことは、差別を助長することです。
- いろいろな問題・案件を是は是、非は非と判断できる人材の配置と権限の委譲を進めてもらいたい。
◆ 人権教育・人権啓発のさらなる展開について(21件)
- 市町村:食肉産業に対する偏見をなくす教育・啓発を。(もちろん、それ以外の職業に対する差別・偏見もですが)
- 多くの市民層が参加しやすい、あるいはニーズに応える企画に居場所を提供することが生き残りの道であると思う。
- 「市民だより」などで一般の住民にもっとわかりやすく、そして気軽に人権問題や啓発のための情報を発信してほしいと思います。
- 自分が居住している地区での人権の取り組みに、本研修受講後関心を持つようになった。もっと多くの人たちの関心を高めていくためには、啓発のための予算をしっかりと確保してほしい。
◆ 同和対策について(15件)
- 何もかもなくしてしまうというギャップになびかずに、必要な施策は堅持して欲しい。
- 国:部落解放の復活と支給制の解放奨学金の復活を強く望みたい。一般対策への移行後の全国の部落の実態調査を行い、今後の施策につなげてほしい。
- 差別が根強く残っている以上、同和対策事業は必要なことである。その内容をよく吟味し実施してもらいたい。
- 同和対策は、人権教育に重点をおくべきだと思います。金銭ではいつまで経っても解決しないと思います。
- 同和対策を広く市民に公表し、透明性を増すべき。
- 大阪市は今回の飛鳥会事件の責任を“同和行政の廃止”という形でごまかすことは許されない。当事者不在のもとで進めようとしている今回の愚行は歴史の汚点を残すことになる。
◆ 学校における人権教育・同和教育について(9件)
- 学校等のいじめの問題等でも関連するが、強い者が弱い者をいじめたり差別する問題がよく起こっているが、同和問題も含めて、人が生きる道、指針など低学年のうちに学校の場で徹底的に教えるべきであると思う。
- 学校教育の中で部落問題を人権問題として道徳などで学ぶのではなく、歴史の中で被差別民衆が担った重要な役割、文化を人権、歴史を織り交ぜた内容として歴史教育に盛り込むべきである。
- 人権意識は子どもの頃からの教育が大切だと思います。大人は意識と行動、本音と建前を使い分ける傾向があると思います。人権は、「自ら考え、自ら判断し、自ら行動し、結果について自ら責任を取る」、いわゆる「自立した人間」を育てることが必要と思います。差別は、「生き方」や「価値観」にかかわることだと思います。
◆ 行政職員の研修の必要性について(2件)
- 結果への対応になるのは仕方がないが、担当者にはもっと哲学が必要だと思う。例えば「こんにちは」は丁寧で「やぁ」は失礼ということはない。相手と状況によりけりであり、考え方がしっかりしていればTPOにあった対応ができるのでは。マスコミもこのことを踏まえて報道する必要があると思う。
◆ その他(7件)
- 人権啓発推進員自身のモラルの問題も多くあるように思う。行政からいわれるままの研修もわかるが、もっと推進員からの活動があっても良いと思う。ほんの一握りの推進員が頑張っている現実を把握して、啓発推進に活用しては。
- 日本は今やアジアにおいても人権問題で遅れていることを認識する必要がある。
(3)(社)部落解放・人権研究所への意見・要望
◆ お礼や応援のメッセージ(33件)
- 部落解放を根底にして幅広い人権問題の核として発信する役割は重要であり、今後ますます必要だと思います。さまざまな差別、偏見等問題を抱えた社会ですが、人権という立場から活動を広げてほしいと思います。
◆ 不祥事について(30件)
- 今回の問題について、研究所としてこのような事例をどのように扱って行くのか、注目したい。
- なぜこのような不祥事が起きるのかを研究して、同和問題の解決に向かって事業を続けてほしいと思います。
- 同和対策も一般施策の中で進められている現時点で差別の歴史と現状を、過去の施策の功罰を検証評価し、それぞれが受講者に認められる啓発をめざして欲しい。
- きちんと今何が必要かを考え、危機感をもって研究所としての役割を担うべき。
- 部落解放に向けた長い取り組みの中で、その一部に誤った認識が生まれ、不祥事に至ったのではないだろうか。報道を見る限り、残念に思う。研修を通して理解を深め、「エセ行為」は許さない社会連携を強めることが大切だと思う。これからもガンバリましょう。
- 同和利権については逃げずに議論し、受講者に理解させてほしい。社内や職場で研修しても、マスコミの力は相当強い。マスコミの報道や、市民の意識のせいにせず、人権研究所として、人権ファシリテーターの意識を高めて頂きたい。
- 運動団体と市民の中間的組織として、市民の声を団体につなげるパイプ役をもっと進めて欲しい。今日の問題に対する、研究所としてのコメントは今まで聞いた事がありません。
- エセ同和行為が「こわい」といったイメージを増幅させており、企業の相談窓口(電話による)を開設すべきである。
- 今回の事件を踏まえ、マスメディアに再発防止策をアピールし、これまでの運動団体の活動を広く理解されるよう努力すべき。今回のアンケートが本音ベースで書かれていれば、改善策が見出されるのではないかと思う。
◆ 解放大学について(29件)
- 研修はたくさん受講してきたが、人権大学ほど自分自身に影響力を強く発揮するものはなかった(しんどかったが…)。これからの活躍を期待しています。
- 講座を受けて、いろんな場所で多くの方々と出会えた。そして人間的に魅力的な方にも会えて、とてもうれしかった。こういった思いをしっかりと伝えたいと思っている。
- グループ討議で異業種の人々の話が聞けて、講師の講義より勉強になったことがある。
- 研修を行うこと(参加して)は、他の業種の方たちの考え方を知ることができて、自分にとって非常に役に立つ。研修を続けてほしい。
- もっと多様な意見を論争することができる場があれば、もっと面白くなる。
- 人権大学卒業後も何年かに1回程度、人権研修を受けられたらと思います。(これは同期の人たちで企画するべきものなのかもしれませんが)
- 解大では各ジャンルの基本的な知識を吸収するレベルにあると思います。自ら研修を企画し、実践するには十分とは云えません。恒常的に研修、講師の養成講座の開講を希望します。
- 大学の授業のあり方。内容などが固定化されている。もっと軟らかい発想で動いてほしい。
- 企業他の参加を増やす。定年を迎えるので、後任者の育成が必要。
- 解放大学に警察や司法関係の人が受講しに来ないのはなぜですか?そういう人たちも受講すべきです。
- 部落差別解消は、日本社会の重要な過大だと認識していますが、同和問題に特化した人権教育はそろそろ見直しても良いのでは?と思います。人権大学で学んだことは、自身の価値観に大きな影響を与えていただき、感謝しています。もっと色々な問題を学びたかったです。
◆ 研修方法、内容、企画等について(18件)
- 部落の起源についてさまざまな説があるが、どういう説明をすると「いわれのない差別」のいわれのない点にたどり着くのか、わかりやすい解説を載せてください。
- 研修教材にQ&A方式(eラ-ニング用)等を作るなど、啓発環境に応じて教材作りを行って欲しい。
- 30分で研修できる、同和問題のテーマごとの企業向け研修資料の作成と提供。
- 私たちもそうであったが、講義形式の研修ではなく、自己啓発的な研修をしていくべきです。
- 昨日、「第58回全国人権・同和教育研究大会」に参加し、多いに感銘を受けた。研究所主催の大会の中にも、教員の取り組み発表を入れてもいいのかなと思いました。
- 人権社会実現のため、社会のニーズに対応する企画立案をお願いしたい。
- 一般市民も参加しやすい講演内容も検討したほうがよいのでは(ニーズを先取りして興味を引くようなもの)
- よりレベルアップした研修企画を期待しています。
- 今後とも、人権についての学習の機会を、できるだけ多くの人に参加してもらえるような場所で提供していただければ幸いです。
◆ 研究所のポジション、スタンスについて(15件)
- 人権問題の一つに同和問題があるという考え方で(同和問題はまだ解決されたとは思っていませんが)取り組んでこれまでの成果のあったものを、他の人権問題へ提言し、教育していく。
- 部落解放のためにできた集団なのだから、部落差別を中心に人権問題に取り組んでほしい。
- 行政、マスコミ、同盟いずれの立場にも寄らず、中立的な立場で「人権とは何か…」等に取り組んで頂きたい。アカデミックでいてほしい。
◆ 差別についての考え(11件)
- 人権研修の講義で、日本では「社会」と「世間」という二重構造になっている。「社会」の建前は民主社会であり、差別を否定している。もうひとつは「世間」である。「世間は大きな水の流れのようなもので、なかなか逆らうことができないのも本音である。逆らえないことが差別を生み出している(流れを起こすことになっている)。この言葉は深く印象に残っています。
- 最近、優生思想についての講義を多方面から受けた。これは決して過去の思想ではなく、現在も存在し、民族浄化など、時には悲惨な結果にいたる。「知っていますか?出生前診断」も読みましたが、この思想の危険性は決して国家や政治団体だけでなく、個人レベルでもはらんでいる。この問題をいつかとりあげてほしいと思う。
- 世の中のいじめ問題も、人権教育の中で捉えてはどうか。
◆ 情報発信について(8件)
- 送付いただく資料や、インターネットサイトなどはできるだけ見ていますが、今後とも更なる情報発信を期待します。当アンケートの分析結果の発表を希望します。
◆ 活動の拡大・連携について(8件)
- 国・都道府県・市町村・学校・研究所などが一体となっての活動が必要だと思います。
- 人権問題についてじっくり話し合える場所として、もっとアピールしてはどうかと思う。
◆ 苦言(6件)
- 人権のアドバイザー的機能を高めれば、いっそう充実したものになると考えます。
- 人権に関する講座がたくさんありますが、質より量になっていないでしょうか。いろいろなカリキュラムを組むのは大変ですが、できるだけ重ならない様なテーマを設定願います。
- 行事・イベントが消化型に陥っているリスクを危惧している。慣例でやっている。参加している者の気持ちも考えずに実行していることはないのだろうか?そういう面では、上記の行政と同じではないかと思う。
- 研究者の人数・研究レベルをもっとあげるべきだ。所長以外の人材育成を図るべきだ。
- 理不尽な差別に対し、憤りを感じますが、その憤りを人々の心に訴える方法について、もっと専門的に研究して実践していただけませんか?(公務員の一人として、)行政に押しつけることに終始されているような感じがして仕方がありません。
◆ 経費について(5件)
- 当社は多くの事業所を全国各地に有しています。研究所で製作された啓発VTRを活用したいと思っていますが、経費面でいっそうの配慮をいただければと思います。
- 部落解放・人権大学講座はすばらしいと思います。もっと一般の方も参加しやすい料金で、あらゆる世代を含んだ大学にすることはできないでしょうか。
- 部落解放・人権大学講座では人権問題のスペシャリストの養成を目的として行われているが、住民に対して人権の大切さを知ってもらえ、また低価格の受講料で受講できる講座も必要である。
◆ 人権に関する条約、法律、条例、制度について(4件)
- 人権侵害、差別が、法的にキッチリと被差別者側の権利が保証されるような立法的な取り組みをさらに強力に進めてもらいたい。
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