長野県木島平村では、1995年に「木島平村人権擁護に関する条例」が制定・施行されたものの、具体化のための総合計画が策定されていなかった。そこで、部落解放同盟長野県連中高地区協議会書記長のリーダーシップのもとに、市民・町民・村民による「人権総合計画」を策定するためのプロジェクトチームを立ち上げ、そこに結集した人びとの信頼関係を築きあげ、計画の内容を一つ一つ実現していくことで、「まちづくり・村づくり」を推進していった。具体的には、差別の実態を捉えるために行政・住民総掛かりで調査を行い、また、「『棚の肥やし』は作らない」という合言葉のもとに総合計画を実現させ、計画実現の原動力は村民自身であることが再確認された。
これらの取り組みのもとに、2000年には「木島平村人権擁護に関する総合計画」が確定した。木島平村の取り組みからは、従来部落に限られていた住民主体の「地域経営」とが、村民レベルで実現しつつあることが示された。