部落解放同盟中央農農業対策部では、<1>人権の立場に立った農林漁政策の確立・推進、<2>農漁村部落のネットワーク化(都市との交流)、<3>農漁村部落の活性化、<4>国内外の連携の強化、を目指す方向で運動を行っているが、今回の報告では、日本の農業、特に部落に代表されるような零細農家の活性化を計るための一つのモデルとして、滋賀県糠塚町生産組合の取り組みが報告された。
糠塚では集落営農を実践しており、「環境に優しい米作り」のスローガンのもとに、ライスセンターの操業・米粉パンの加工販売・野菜の直売を行っている。それらの施設は1カ所にまとめられ、安全でおいしい米・パン・野菜を求めて、周辺地域からの買い物客も多いという。スローフードの風潮や、おいしく安全な食物が求められる中、米粉パンの人気もあり、糠塚の取り組みは一定の成功を見ている。また、ライスセンターの雇用も生まれ、若い人が働くことによって世代をつないでいき、ムラがまとまっていくという機能も見られる。
糠塚の取り組みは一般地区での取り組みであるが、これらの集落営農を一つのモデルとして、農村部落の活性化を計りたい。