〈第2報告〉
行政職員が行う業務には様々なものがあるが、人権と関わりのない業務はほとんどないと言える。行政職員は法令に基づいて業務を遂行せねばならならず、人権については言うまでもなく、常にコンプライアンス(法令遵守)が問われている。加えて、現在さまざまな分野で民営化が推進されているが、民営化が進められている分野において、常に人権が確立されているかどうかチェックする意味においても、優れた人権感覚を持つ市民に先駆ける人権リーダーとしての役割はさらに高まっていると考えられる。
大阪市では、1984~85年に生じた差別事件を契機として、人権研修を効果のあるものにするためのさまざまな取り組みがなされており、その推進体制面においては一定の評価がなされてしかるべきものである。現在の課題としては、・研修結果の評価の困難、・業務に即した研修の不在、・避けられる葛藤場面の三つがあることから、今後の人権啓発・研修については、集合研修における一定のレベル設定と段階的な発展、業務と関連した人権の視点の取り入れ、業務と関連する人権課題の集約が必要である。
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