部落解放・人権研究所では、これまで4年間、人権教育・啓発プログラム開発のための調査事業を行ってきた。これまでの研究報告書としてまとめられたのは『部落マイノリティ(出身者)に対する結婚忌避・差別に関する分析報告書』、『自己実現・社会参加への誘導要因―効果的な成人教育の企画・運営のためのケーススタディ』、『部落問題に対する意識形成調査研究報告書』、『結婚差別の現状と啓発への示唆』、『学校と地域の協働と人権意識の変容』『「従業員の個人情報保護」の現状と課題』である。
今年度は、これまでの成果をもとに「人権教育・啓発プログラム開発研究会」を発足し、人権啓発の成果と課題の整理を行う。
主たる分析軸としてあげられるのは、・市民啓発・企業啓発・行政職員啓発における、人権啓発の到達点と課題、・人権啓発を効果的に進めるための人権啓発の効果測定方法の開発、・教材開発を視野に入れた結婚差別問題解決のための人権啓発・プログラム開発、・教育や福祉に取り組むコミュニティを基盤とした協働と人権啓発の可能性、などである。
これらの論点に関する専門家を中心に定期的に研究会を開催する。また、さまざまな領域で人権啓発に関わっておられる方々をゲストスピーカーとして招いて議論を重ね、これまで行われてきた啓発の成果と課題を明らかにしたい。最終的な成果は報告書としてまとめられ、効果的な人権啓発を行ううえでの示唆を与える。
(文責:内田 龍史)