青少年拠点施設プロジェクトの第10回会合は、5月24日(土)18時半から、もと日之出青少年会館会議室において開催された。
今回の会合は、この間にプロジェクトが実施してきた、子育て・教育の現状に関するヒアリング調査の内容への検討が主な議題となった。同調査は市内12地区の子育て・教育運動に携わっておられる方々を対象に、ヒアリングシートへの記入・回収をお願いするかたちで実施したものである。調査内容を大まかに項目として挙げると、つぎのようなものとなる。
(1)(元)青少年会館施設の利用の現状について
(2)現在の各地区の子どもの状況について
(3)サンプリング調査
(1)は、たとえば「利用人数などの状況」「活性化している活動」「利用者の声」等に関してたずねるものである。(2)は各地区内の保育所・小学校・中学校における「学力」「人権教育」「子どもの様子や抱える課題への相談・支援の様子」「地域の保護者等による子育て支援の枠組み・取り組み」等について、地区で活動を続ける側からの認識をたずねるものである。(3)は、地区で活動する人々が、子どもたちの日常生活の様子や、地区内施設の使い方などについて、子ども・保護者の直接の声を「聞き取り」を通してまとめるといった内容からなるものである。
以上のように調査内容が多岐に渡ることもあり、ヒアリング結果の検討は一度ではおこなわず、まずはA・B2つの地区のヒアリング結果を取り上げることとなった。まず今回は、座長より出された「第二次ヒアリング結果を振り返って-今後の各地区(支部)の教育運動の展望をめぐって-」という提起を軸に進められた。以下、当日の議論の内容を簡単に紹介したい。
(A地区の現状について)
・もと青館において活性化している主な活動としては、週に一度、小学生(木曜19:00-)中高生(火曜19:00-)が集まり音楽や学習の活動をおこなう取り組みがある。前者は約20名、後者は約10名程度の継続的な参加がなされている。
現在のもと青館利用の問題点としては、21時で閉館という決まりが、識字学級をはじめとする館での様々な活動の支障となっていること。子どもの自由で気軽な館への立ち入りができないことである。その一方で最近、館での諸活動について、保護者の自主的な関わりは以前よりも増えている。
・地区中学生の「要支援世帯」の割合がきわめて高く、「貧困・格差の世代的再生産」とみられる傾向が顕著である。ただ、生活困難世帯について、積極的に行政の支援を求めようとする取組みを運動として取り組んできた経過も考慮に入れる必要があるかもしれない。
・「はぐくみネット(小学校校区教育協議会)」は、餅つき・盆踊り・運動会などイベント企画が中心で、学校での総合的な学習への協力などもおこなわれている。
(B地区の現状について)
・もと青館で活性化している活動としては、民謡・ダンスなどの文化サークル活動、バレーボール・卓球などの体育サークル活動がある。また子育てサークル、中学生対象の週2回の「べんきょう会」などの活動も従来通りにおこなわれており、こうした中学生対象の活動が、今後の地区青少年の育成活動のなかで大きな役割を果たすと考えられる。
・保護者等のネットワークの活性化が特に求められている。地元には「子どもの遊び場」を考える活動が現在あり、また「子ども会」の復活を望む声も根強くある。中断していた保育所での「お泊まり保育」は、保護者の要望と運営への実際の協力があったことで、最近復活した。今後は、子どもとしっかりと向き合う、「子どもに負けない」保護者のあり方がまず問われているのではないか。
以上、詳細に渡るヒアリング結果のなかの、報告者の印象に残る一部分のみを紹介した。他の地区の結果もあわせ、プロジェクトでは今後も引き続き検討・議論を継続して行う予定である。ちなみに、本プロジェクトの次回会合は、6月28日(土)18時30分より、もと日之出青少年会館でおこなわれる。(文責:池内正史)
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