フリーター400万人、「ニート」状態にある若者たち、85万人。若年者の就労問題は、若干の倫理的非難の響きを伴いながら、現在、大きくクローズアップされている。
この問題にかかわっては、「若年者の就労意識をいかにして育成するか」といった、若者自身の意識の問題に還元して論じられがちである。もちろん、若者達の職業に対する意識は、かつて経済成長期のそれとは、異なっているかもしれない。職業観の育成は、若年者支援の一側面として、極めて重要な取り組みであるといえる。だが、日本社会に先の展望が見えない昨今にあって、ひとり若年者自身の問題としてのみ捉えてよいものであろうか。より広く、労働行政や、職業安定行政の分野において、一層踏み込んだ政策の展開が必要なのではないだろうか。
そこで、この研究会では、近年の若年者の就労問題を、政策的見地から検討し、真に必要とされる若年者支援のあり方について議論を深め、提言を取りまとめて参りたい。