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原田伴彦記念基金・設置要項
1. 趣旨・目的
故原田伴彦部落解放研究所理事長は部落解放にかかわった研究実践においてすぐれた業績を残されました。先生の偉業を受けつぎ部落差別を始め、一切の差別を撤廃することに貢献するすぐれた研究を奨励するために、原田伴彦記念基金を設置する。
2. 事業
(1)研究の奨励
(2)出版の奨励
(3)その他、記念基金の趣旨目的にそった事業
3. 基金
この趣旨に賛同していただける団体・個人より基金を集め、その果実で事業を行う。目標を5000万円とする。
4. 運営組織
原田伴彦記念基金は社団法人部落解放人権研究所内に設置する。但し、運営はこの基金の運営委員会(呼びかけ人の中より選出)で行うものとする。
[運営委員(2001年度)]
* 上田正昭・京都大学名誉教授
* 組坂繁之・部落解放同盟中央本部中央執行委員長
* 黒柳祖道・ 『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議議長
* 塩谷隆弘・財団法人大阪府同和事業促進協議会会長
* 原田百子・家族代表
* 村越末男・社団法人部落解放・人権研究所理事長
* 柳瀬 将・大阪企業同和問題推進連絡会代表幹事
(アイウエオ順)
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◆86年度 (第1年度)事業報告
(1)『史料集 明治初期被差別部落』出版に助成した。
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◆87年度 (第2年度)事業報告
(1)国立国会図書館所蔵占領軍文書の部落問題関係資料の調査・研究に取り組んだ。
(2)3月19日に、コロンビア大学のハーバード・バッシン名誉教授や国会図書館の星健一さんを招いて、占領軍文書についての研究会を開催した。
(3)国連人権委員会へ鈴木美恵子(反差別国際運動事務局員)を派遣した(1988年2月〜3月)。
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◆88年度 (第3年度)事業報告
(1)国立国会図書館所蔵占領軍文書の部落問題関係資料の調査・研究に取り組んだ。また関係者に対する聞き取りの為に渡辺俊雄・研究所所員をアメリカに派遣した。
(2)国連人権委員会に川村暁雄(大阪大学大学院生)を派遣した(1989年1月〜3月)。
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◆89年度 (第4年度)事業報告
(1)国立国会図書館所蔵占領軍文書の部落問題関係資料の調査・研究事業を助成して、ほぼ作業が終了した。
→1991年に「資料・占領期の部落問題」として出版
(2)国連大学と連携して、メキシコ大学が取り組んでいる世界のマイノリティーに関する書類収集事業を助成した。
(3)国連人権委員会にミリアム・シュライバー女史を派遣した(1990年1月〜3月)。
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◆90年度 (第5年度)事業報告
(1)大阪の部落における民俗伝承文化の収集整理事業に助成した。
(2)国連人権委員会に山中美穂を派遣した(1991年1月〜3月)。
※メキシコ大学院大学のルドルフ・スターベンハーゲン教授を招聘する件については、教授の都合で1992年6月18日〜24日に延期された。
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◆91年度 (第6年度)事業報告
(1)大阪の部落における民俗伝承文化の収集整理事業に助成した。
(2)戦後部落問題判例集の作成事業に一部助成した。
(3)国連人権委員会に村上正直(新潟大学教授)を派遣した(1992年1月〜3月)
(4)『マイノリティー研究会』(代表・武者小路公秀・明治学院大学教授)の活動に一部助成した。
(5)メキシコ大学大学院のルドルフ・スターベンハーゲン教授を招聘し、研究会や講演会を開催した(1991年6月18日〜24日)。
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◆92年度 (第7年度)事業報告
(1)大阪の部落における民俗伝承文化の収集整理事業に助成した。
(2)国連人権委員会に日下基(香川大学学生)派遣した(1993年1月〜3月)。
(3)『マイノリティー研究会』(代表・武者小路公秀・明治学院大学教授)の活動に一部助成した。
(4)国連人権委員会に1名派遣する(1994年1月〜3月)。
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◆93年度 (第8年度)事業報告
(1)第1回原田伴彦賞に7点の応募があった。選考委員会の結果、入選はなく、以下の2点が佳作として選定された。
佳作 稲森健蔵さんの「『渡し守』と被差別部落について」
佳作 比江島哲二さんの「内藤藩延岡非人頭平五郎」
(2)大阪の部落における民俗伝承文化の収集整理事業に助成した。
(3)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(4)国連人権委員会に石川結加(部落解放同盟大阪府連松原支部)を派遣した。(94年1月〜3月)
(5)故原田伴彦先生没10年追悼講演会を開催した。(93年11月22日・浪速解放会館150名参加)
原田伴彦先生偲ぶ会が開催された。(93年12月19日・京都26名参加)
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◆94年度 (第9年度)事業報告
(1)第2回原田伴彦賞に2点の応募があり、和田恵治さんの『被差別部落一村独立史』に原田伴彦賞が選定された。
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(3)国連人権委員会に田中敦子(反差別国際運動日本委員会事務局)さんを派遣した。
(4)1990年度から1993年まで、一部助成を行った『大阪の部落における民俗伝承文化の収集整理事業』の成果が、『被差別部落の民俗伝承』上、下巻、ビデオ・索引・ビデオ解説として完成した。
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◆95年度 (第10年度)事業報告
(1)第3回原田伴彦賞に9点の応募があったが入選はなく、佳作、奨励作として以下の2点が選定された。
佳作 石瀧 豊美さんの『近世初期福岡藩の部落史資料について』
奨励作 瀬川健二郎さんの『高木橋秘話〜和田国松氏の偉業』
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
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◆96年度 (第11年度)事業報告
(1)第4回原田伴彦賞に14点の応募があり、荒木謙さんの『破戒のモデル 大江磯吉の生涯』に原田伴彦賞が選定された。
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(3)国連人権委員会に熊本理抄(反差別国際運動日本委員会事務局)さんを派遣した。(96年8月5日〜30日)
(4)基金の果実での運営が困難になったため、カンパ活動を実施した。第一次(97年1月1日〜3月31日)個人7名から247,000円が寄せられた。
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◆97年度(12年度)事業報告
(1)第5回原田伴彦賞に12点の応募があり、以下のように選定された。
原田伴彦賞 山下隆章さんの『近世讃岐における被差別民史の研究−高松藩を中心にして』
佳作 藤原 豊さんの『近世後期の部落寺院について−摂津国川辺郡火打村勝福寺取り扱い一件を中心に−』
奨励作 小椋孝士さんの『美作改宗一件』
奨励作 新井宏則さんの『橋嵜繁蔵排斥事件』
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(3)国連人権委員会に河昭子(神戸大学院生)さんを派遣した。(97年7月28日〜8月29日)
(4)第二、三次のカンパ活動を実施した。第二、三次(97年4月1日〜98年3月31日) 個人12名と2団体から1,256,000円が寄せられた。
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◆98年度 (第13年度)事業報告
(1)第6回原田伴彦賞に9点の応募があったが入選はなく、佳作と奨励作が以下のように選定された。
佳作 吉岡保さんの『「部落学校」の「消滅」と地域社会−−藩磨国多可郡隆田小学校東山支校の場合』
奨励作 奏セイさんの『マッチ工場と部落についての一考察−−明治・大正期における黄燐マッチ製造を中心として』
奨励作 横田幸哉さんの『弾左右衛門支配場の北限考』
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(3)国連人権委員会に八尾勝(武庫川女子大学院生)さんを派遣した。
(4)カンパ活動を実施した。(98年4月1日〜99年3月31日)
個人3名、2団体から1,460,000円が寄せられた。
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◆99年度 (第14年度)事業報告
(1)第7回原田伴彦賞に5点の応募があったが入選はなく、佳作に小正路淑奏さんの『堺利彦と部落問題−身分・性別・階級の交叉−』が選定された。
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(3)国連人権委員会に李 嘉永(大阪大学院生)さんを派遣した。(98年8月)
(4)カンパ活動を実施した。(99年4月1日〜2000年3月31日)
個人2名、2団体から1,380,000円が寄せられた。
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◆2000年度 (第15年度)事業報告
(1)原田伴彦賞を部落史研究に限定して、中堅研究者も含めて財政的に不利な状況にある人の研究奨励を目的に奨励金制度に切り替える事となる。原田伴彦賞を「原田伴彦・部落史研究奨励金」に変更し募集した。
第1回原田伴彦・部落史研究奨励金には4点の応募があったが入選はなく、以下の3名に奨励金を支給した。
藤井寿一さん(和歌山県御坊市)、浅尾篤哉さん(兵庫県多可郡黒田庄町)、藤井幸之助さん(大阪市東淀川区)
(2)『マイノリティ−研究会』(代表・武者小路公秀)の活動に一部助成した。
(3)国連人権委員会に中條オルガさんを派遣した。(2000年8月)
(4)カンパ活動を実施した。(2000年4月1日〜2001年3月31日)
個人1名から100万円が寄せられた。