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行財政部会・学習会報告
2002年6月4日
これからの人権行政とは

(報告) 荻田 哲男 (大阪府人権協会)

大阪市人権協会受託事業について

(報告) 土橋 孝博 (大阪市人権協会)

大阪の同和行政の円滑な運営に寄与してきた(財)大阪府同和事業促進協議会(府同促)ならびに(社)大阪市同和事業促進協議会(市同促)が2002年3月31日の「地対財特法」失効にあわせてそれぞれ(財)大阪府人権協会ならびに(社)大阪市人権協会に発展改組した。

本部門会議では、大阪府人権協会ならびに大阪市人権協会のこれから果たすべき役割と新しく展開される具体的な事業内容についてそれぞれ報告していただいた。

以下、その要約を紹介する。

まず、大阪府人権協会の荻田さんから、新法人の目的として「同和問題解決の施策をはじめ人権施策の推進に協力し差別のないコミュニティの形成に寄与し、すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現をめざし」、そのための役割として、<1>部落差別の実態を把握すること、<2>地域住民の自立を支援する、<3>人権尊重のまちづくりを支援する、<4>公益法人として人権行政創造に貢献する、<5>部落問題解決ならびに人権行政推進のための人づくり、が説明された。

また、具体的な事業の柱として、<1>人権教育および人権啓発、<2>人権相談および自立支援、<3>地域住民の交流や協働の推進、<4>人権のネットワークづくり、<5>大阪人権センター(旧部落解放センター)の運営、などがあり、同和問題解決に活用できる一般施策事例の紹介や大阪府、地域人権協会などの関係機関との連携体制について説明があった。


続いて、大阪市人権協会の土橋さんからは、荻田さんからの報告と重なる新法人の目的や役割の部分を簡略して、新法人が委託を受ける新規25事業やその他の事業についての紹介がされた。

とくに新規創設25事業は大別して、<1>自立支援事業(11事業)、<2>まちづくり事業(3事業)、<3>地域福祉事業(6事業)、<4>人権支援事業(4事業)、<5>関連事業(1事業)の項目があり、限られた時間内でそれぞれの事業目的や事業内容について報告していただいた。

また土橋さんは、今回の新規事業受託にあたって、<1>「特別措置」にもとづく「同和行政」が終了し、一般施策を活用して同和問題の解決を図る時代に入ったこと、<2>今回受託した「新規25事業」ならびに「施設管理運営事業」は一般施策であり、新法人である大阪市人権協会はその受託した事業においての責任が問われ、情報公開の時代をむかえた今日、それぞれの事業実施についての説明責任が求められており、新法人自身の事業評価システム構築の必要性が述べられた。

調査・行政部門会議より

(松下)