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去る9月15日〜25日に反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)の主催で実施された、「人権のまちづくり」をテーマとしたアメリカスタディツアーへの参加をもとに報告が行われた。
はじめに、視察地のニューヨークとサンフランシスコで撮った写真をもとに作成したスライドを上映しながら、視察先の全般的な説明が行われたあと、2人の報告者よりそれぞれ特に印象深かった点について報告があった。以下、2人の報告者の総括的感想のみ紹介する。(詳細は後日出される報告書をご参照下さい)。
(友永報告)
- アメリカにおけるまちづくりは、行政が一方的に事業を実施するのではなく、地域開発法人(CDC)に代表される民間団体が中心的な役割を果たしている。
- 地域開発の重点が、低所得者向け住宅の建設(持ち家の奨励を含む)とともに、小規模事業の支援、教育と人材育成にも力点が置かれている。
- 地域開発法人(CDC)等による地域開発を可能にするための法制度が整備されていて、民間団体と行政、さらには銀行等の民間企業とのパートナーシップが構築されてきている。
(村田報告)
- 政府(行政)に対するとらえ方が日本とは違い「小さい政府」である。
- アメリカではすべての課題に対して1つの組織が取り組むのではなく、各自が主人公の多様な運動が展開され、そのネットワーク化により組織が発展している。
- 組織の硬直化や腐敗防止のため情報の公開性がシステム化されている。
- 補助金依存の活動ではなく事業を通じた組織運営が大事である。
- 個人の責任と選択を前提にした企業に対する自立支援が重要である。そのためには、本人が選択、判断できるような情報を提供し、その上で夢がもてるような指導ができる、より高い専門性をもった相談員が必要である。
- 実践活動を通じて意識的に人材育成をしていく必要がある。
(豊岡慈子)