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まず、フェミニストカウンセリングについて、これは、フェミニズムの中から生まれた女性のための女性によるカウンセリングであり、女性の悩みは個人的な問題ではなく社会的な問題に起因しているという基本認識について説明があった。今回の調査のきっかけは、女性に対する暴力の実態についてカウンセリングの現場で日々感じることと、世間の意識のずれの大きさ、そしてまずは被害を受けている女性たちの声を明るみに出したいという問題意識から始まった。
調査の概要は、97年10月よりアンケートを約3000部配布、今年2月にアンケート、聞き取りとも調査を締切った。回収総数は347、内229人が現在および過去の体験者、118人が被害者を知っている第三者であった。また、18人に聞き取り調査を行っている。加害者の87%が夫、10%が恋人で、同居期間は20年以上が36%である。
暴力の実態は、調査では「身体的暴力」(84.3%)「性的暴力」(81.2%)「経済的暴力」(78.2%)「社会的暴力」(81.2%)「精神的暴力」(97.4%)の5つに分類して聞いている。<( )内の数字は被害体験者のうちその暴力の体験者。>この数字から、いくつもの種類の暴力が重複していることが明らかになった。暴力を受けている期間を見ると5年以上が67.7%、10年以上が43.2%となっており、いつ暴力をふるわれるかわからないという恐怖感や自尊心を奪われていることが被害者の行動を妨げている。
この調査から、従来女性に対する暴力についての「思い込み」(暴力を振るわれる側にも原因がある、当事者で解決すべき、いやなら別れるはず)と、現実とのかい離が改めて浮き彫りになった。今後の課題として、調査結果に基づいた行政への提言。病院や相談機関のネットワーク。被害女性や子どものサポート体制の確立などさまざまな課題が明らかになったと言える。