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女性部会・学習会報告
1997年1月13日
いま、なぜ男女雇用平等を求めるのか

林誠子(連合大阪副事務局長)


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●現在、男女雇用機会均等法の改正作業が進んでいる。昨年12月17日に婦人少年問題審議会(労働大臣の諮問機関)が、従業員の募集・採用・配置・昇進をめぐる女性差別について現行の努力規定から禁止規定へ強化することを求めた意見書をだし、今年1月14日には法案要綱を諮問した。

●労働省婦人少年問題審議会のまとめのポイントは次の9点である。

1.法の目的を女性差別の禁止とする。

2.雇用の全ステージの女性差別を禁止規定とする。

3.女性の職域固定や職務分離という弊害をもたらす一部片面性の解消。

4.一方申請による調停開始。是正勧告に従わない企業の企業名公表。

5.積極的平等促進施策を法律に盛り込む。

6.セクハラ防止についての配慮義務規定、指針の作成。

7.出産保護の強化(現行は配慮義務)。

8.女性の職域拡大、均等取り扱いの観点から、女子保護規定は解消する。

9.家族的責任を有する、一定範囲の労働者の深夜業の法的免除措置。

●評価としては、連合の要求が一定程度反映されたこと、また、公・労・使の三者一致の内容で建議がまとめられたことである。

今後の課題としては、時間外・休日労働・深夜業の男女共通規制を早急に制定すること(男女の共通規制については中央労働基準審議会で審議されるので保護解消との間に時間差ができないようにする)。コース別雇用、雇用形態の違い、手当て支給基準等間接差別についての規制は今後の課題である。

●今回の改正案ではじめてセクシャルハラスメントの事前防止配慮義務という規定が入ったが、これでセクシャルハラスメントが労働問題として今後は俎上に乗せられていく。防止のための教育・研修の研究と実施が求められている。