松原第七中学校は、生徒数約260人で創立22年目の学校である。校区においては保、幼、小との連携による縦軸のネットワークと、七中校区国際文化フェスタに代表される地域教育協議会との連携による横軸のネットワークを構築している。
本校は、2002年から研究開発校の指定を受け、不登校の予防及び不登校生の学校復帰について取り組んできた。具体的には、人間関係トレーニングを中心とする「人間関係学科」の創設と、不登校生を対象に個別指導を行う「ほっとスペース」の設置である。
「人間関係学科」においては、WHO(世界保健機構)が提唱した10のライフスキルを身につけるために、パーソナルワーク、グループワーク、ロールプレイなど、生徒が参加体験できるプログラムを開発して実践してきた。当初は手さぐり状態であったが、最初にストレス対処トレーニングを行ったところ、生徒の大きな反応があり、「人間関係学科」の可能性を教員が確信できた。
この取組みを始めて、生徒の不登校率は6%台から1%台へ減少し、暴力事件も激減し、学校の取組みに対する保護者の意識も肯定的に変化した。さらに、教員が自信を持ち、カウンセリングマインドを持って指導にあたるとともに、チーム力も向上した。3年間取組んでみて、子どもたちには自己肯定感と社会的有用感をバランスよく育てることが必要だと考えている。今後も、教育的に不利な条件に置かれている子どもたちのエンパワメントの実現を根底においた取組み内容の発展を目指したい。
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