調査研究

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2006.11.16
部会・研究会活動 < キャリア教育と人権研究会>
 
キャリア教育と人権研究会
2006年09月04日
大阪キャリア教育支援ステーションの取組みについて

廣田雅美(大阪キャリア教育支援ステーション事務局)

 大阪商工会議所では、2004年10月に、学ぶことと働くことを関連づけるために教育、行政と産業界の連携が必要という趣旨で、キャリア教育の支援拠点づくりを含めた提言を行った。これを受けて2005年2月に「大阪におけるキャリア教育推進委員会」が設置され、大阪におけるキャリア教育の方向性を議論し、そのまとめを2005年6月に「大阪におけるキャリア教育推進プラン」として発表した。このプランで、キャリア教育支援拠点の構想が明確となり、翌7月19日に、「大阪キャリア教育支援ステーション」が設置された。

 本支援ステーションは、教育現場のニーズに応え、学校外からの支援・協力をワンストップで提供すること、社会全体でキャリア教育を推進する社会的機運を醸成することを目指している。具体的な活動として、<1>教育現場への支援・協力、<2>キャリア教育プログラム・教材開発と実践、<3>教員の知識・技能向上への支援があげられる。

 <1>として、大阪府教育委員会のキャリア育成推進事業に協力して、府立高校9校に民間人のキャリアコーディネータの派遣、キャリア・カウンセリング基礎講座の開催、大阪キャリア教育推進フォーラムの開催、さらに府内の公立学校に対して社会人講師の派遣、体験活動受入先の紹介等を行っている。

 <2>として、NPO法人と連携して学習プログラム「ドリカムスクール」を府内の公立学校で実施している。

 <3>として、近畿経産局等と連携して、教員がプロジェクト型学習に参加する「アントレプレナーシップ教育実践事例研修会」の開催や、キャリア教育事例集の作成を行っている。

 設立1年を過ぎたが、本支援ステーションの認知度の向上、産業界の理解醸成・協力促進、効果的なキャリア教育の実践が、今後の課題と考えている。

大阪府立高校における『キャリア教育』の実践

藤田柔美(大阪府立伯太高校キャリアコーディネータ)

 私はこれまでさまざまな職業を経験しており、その中でキャリアカウンセラーの資格等を取得した。また、ヤングジョブスポットOSAKAの相談員として、就職のハードルに苦しむ多くの若者に出会った。その経験を活かすとともになぜ若者がそこまで苦しむに至ったのかを少しでも知りたいという思いで、キャリアコーディネータに応募した。

 私が派遣されている伯太高校は9校の中でもキャリア教育の取組みが比較的進んでおり、GS(グローバル・スタディーズ)と名づけられた取組みが行われている。GSは人権教育やキャリア教育等を統合した取組みで、自己理解、他者理解を通じて自分の生き方を考えるということを基本にしている。

 今年度は3年生のGSの企画・運営にも関わっているほか、進路指導部会にオブザーバーとして参加し、進路指導への提案もしている。また、生徒向けセミナーの実施、生徒の個別相談、保護者向けの講演、インターンシップのコーディネート、教職員向けプリントの発行等を行っている。

 伯太高校では、私の拠点が3年生職員室にあるので、教員とのコミュニケーションが取れており、すきま産業的な支援もしている。生徒には「先生」でも「親」でもない大人として、「指導」ではないアプローチをするとともに、生徒に社会を感じさせることを心掛けている。

 伯太高校の現状をみて、進路指導部の体制を強化することや、早い時期からの保護者への意識付け、3年間を見通したキャリア教育、インターンシップの単位認定化、本当に支援の必要な生徒への対応などが今後の課題と感じている。私自身は学校と社会のパイプ役として情報発信するとともに、教員へのカウンセリングマインドの定着を図り、このプロジェクト終了後もキャリア教育を定着させることが課題と考えている。

(文責 事務局)