細河中学校は1984年に「同和教育研究学校」の指定を受けたのを皮切りに、毎年研究指定を受けて取組みを進めてきた。授業に関しては「学び合う共同体」をめざして授業改革を進めたほか、積極的な校種間連携、地域との協働にも取り組んできた。さらに生徒のコミュニケーション能力を育成するため、キャリア教育を核にして総合的な学習の充実を図っている。
職場体験学習に関しては、10年以上前から3日間の体験に取り組んできたが、中卒就労者の進路保障の経験と近畿経済産業局からの誘いをきっかけに「アントレプレナーシップ教育」の手法を生かして職場体験学習の充実を図っている。2004年度の2年生は、総合的な学習の時間を活用し、「私のしごと館」の見学、経営に関する事前学習や分析力や文章力を高める事前学習等を経て、地元の商店街を中心に50ヶ所で5日間の職場体験を行い、さらにその商店街の良さを伝えるPR紙の作成に取り組んだ。
2005年度には48ヶ所での職場体験に加え、府の技能士協会との連携による「ものづくり教室」やキッズマートにも取り組んだ。2006年度は地元産業である造園業や特別養護老人ホームを加え、52ヶ所で職場体験を実施している。
アンケート結果から5日間の経験で生徒が成就感を得たことが明らかになっている。また、将来の自分の進路について考えるようになったり、コミュニケーション能力を高め、自分たちの人間関係を考えるきっかけをつかんだ生徒が多い。今後ともこの取組みを地についたものとして「アントレプレナーシップ教育」を核にしたキャリア教育の構築をめざしていく。