本稿では、欧米の過去四半世紀の若年労働市場の構造変化、教育も含めた若年雇用政策の動向とその評価について概観した。

　　その結果、＜１＞若年人口の減少等の構造変化が起こったにもかかわらず、欧米の若年労働市場の問題は解消していないこと、＜２＞７０年代以降欧米で盛んに実施された若年雇用対策プログラムが総じてあまり期待された効果はなく、むしろ、ドイツ等の訓練生制度や日本の学校による職業紹介制度が若年労働市場において果たす役割が高く評価されていること、＜３＞しかし、失業の危険性が高い一部の若年への集中的な雇用対策プログラムは一定の効果があり、公平性の観点からも望ましいこと、等がわかった。（『内容抄録』より）