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2007.07.10

拷問被害者の支援のための国際デー
2007年6月26日
拷問は、いかなる状況のもとでも決して正当化されない

グルジア:拷問生存者への補償がなく、拷問の調査が行われていません

拷問被害者の支援のための国際デーに、「世界拷問防止機構(OMCT)」と「人権情報センター(HRIDC)」は、グルジア政府に対して補償および賠償に関する法律の制定を検討するよう要請します。

2006年5月、OMCTとHRIDCは、グルジア青年法律家協会(GYLA)およびグルジア公衆衛生・医学発展基金(PHMDFG)と共同でグルジアの人権侵害に関する報告書を国連拷問禁止委員会に提出しました。この報告書の中で、警察職員による行き過ぎた権力の行使がグルジアのもっとも重大な問題の一つであり、拷問や虐待の主要な原因であることが強調されました。

そして、拷問や虐待の申し立ての適切な調査や訴追の不在が免責をなくす努力の大きな障壁になっていることが明らかにされました。さらに、多くの被害者が報復を恐れて拷問や虐待の実行者を特定することを控えている中、敢えてそれを行った被害者も、結局は賠償や補償を十分受けていないことがしばしばです。

憲法および刑事訴訟規則には、被害者の補償の権利を規定した条項が含まれています(憲法第42条9項、刑事訴訟規則第39条および第33条4項)が、賠償を規定する明確な法律は存在しません。この点に関して、拷問禁止委員会は、グルジアは補償および賠償に関する法律の制定を検討するとともに、完全な社会復帰の手段を含み、救済および補償を提供する現実的な措置をとるべきであると勧告しました。

6月26日、OMCTとHRIDCは、グルジア政府が拷問禁止委員会の最終所見を履行するよう要請しました。グルジアは、警察職員によるあらゆる形態の虐待をなくし、拷問や虐待の申し立てに対する迅速、徹底的、独立、公正な調査を保障し、加害者を訴追して処罰し、被害者に効果的な救済を提供するために、確固たる措置をとるべきです。そのため、OMCTとHRIDCは、被害者への補償および賠償に関する法律の制定を検討するよう当局に要請します。